過去ログ - 真姫「かたわれアイスキャンディー」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:24:33.60 ID:c860Jp7io
食べ方を覚えた頃、あの子の肌の白さが好きだと気付いた。
夜のように深い髪の色と違って、
まっさらな肌はひたすらまばゆかった。
いつかみた肩胛骨のなめらかな線は羽根の付け根みたいで、
夜に夢で見るのも、
本来の白い羽根を生やした姿だったりした。
でもそこに手を伸ばすことは許されない。
昨日の夢なんてひどかった。
夢の中で私は地べたにへたりこんでいて、
街灯の光も届かない暗がりで小石を積み続ける日々だった。
そこに月の光を浴びたにこちゃんが
上空から白い指先を差し伸べて、ふれた途端に私の重力がゼロになる。
絡めた指の引力だけで私は地上を離れて、
高度数百メートル、
夜景の海にたゆたう東京スカイツリーや
六本木ヒルズの点滅も遠く見下ろす上空かなた、
もやがかった雲のなかへと連れ去ってくれる。
どこまでも行ける気がした。
アムステルダムのさらに向こうで、
すべての罪を洗い流して、二人だけの国を建てて天上で暮らすの。
そこまではよかったのに。
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