過去ログ - 真姫「かたわれアイスキャンディー」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:25:00.28 ID:c860Jp7io

 音の速度で空を駆けながら、捨てた夢まで輝き出す頃、
 それなのに、
 どこかで積んだ小石の崩れる音が聞こえた。

以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:25:26.89 ID:c860Jp7io

 コップに残した方のアイスの傷口から汁が涎のように滴りはじめている。

 私もプラスチックに噛み跡をつけて氷の汁をしぼり出しながら、
 少し伸びた髪を指に絡ませていた。にこちゃんまだ来ない。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:25:53.55 ID:c860Jp7io

 髪の毛を抜く癖は中学に入るまでに忘れた。そのはずだった。
 ピアノの発表会の前夜。
 日能研の統一テストの帰り道。
 話の合わなくなったクラスメイトと、給食のバケツをこぼした日の昼休み。
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:26:20.14 ID:c860Jp7io

「ひどい頭になってるわよ、あんた」
 玄関先で出迎えるなり、にこちゃんがそう云った。

 ほら、貸してみなさい、
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:26:46.73 ID:c860Jp7io

 さ、できたわよ、ってにこちゃんが私の身体を返す。
 頭をぽんと軽くたたくのが手慣れている。
 妹さんたちにも同じように髪をとかしてあげる姿が目に浮かぶ。

以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:27:13.37 ID:c860Jp7io

 人の足下ばかりも見ていられなくて、
 バッグからはみ出た日傘とうなじの白さ、
 赤みの薄い唇と
 玄関ドアの向こうで縁石を照りつけてる白すぎる陽の光とを眺めやった。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:27:39.99 ID:c860Jp7io

 ドアがばたんと閉まって、施錠の音が耳にざわつく。
 あの色に誘われて振り向く。

 でも、
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:28:06.63 ID:c860Jp7io

 ちゃりん、

 と足下ににこちゃんからカギが落ちた。

以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:28:33.26 ID:c860Jp7io

  ◆  ◆  ◆

 それから、にこちゃんと私の部屋でお話をした。

以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:28:59.91 ID:c860Jp7io

  ◆  ◆  ◆

 クラクションが鳴る 足下が白黒まだら模様でそこは横断歩道だった また大きな音
 フロントガラスの向こうから叫び声がする 陽射しが肌にいたい
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/15(日) 20:29:26.52 ID:c860Jp7io

 やだ、向こうにまだあの子がいる!

 いるはずなのに、

以下略



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