過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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106:名無しNIPPER[saga]
2015/03/27(金) 17:37:32.96 ID:5Njip8ToO

智葉「先に聞いておきたい事がある」

智葉「それに明確な返事をしないなら話さない」

 その言葉に最初、言い知れない不快さが胸をつく。また蚊帳の外に置かれそうな不安がかま首をもたげたからだ。
 その感情を抑え込む。今は関係ない。教える気のない母のときとは違う。

智葉「詳しい事情はわからないが……咲の話を聞く限り、お前たちは……昔はともかく今は疎遠なんだろう」

智葉「それでも咲のために動けるのか。咲を思い慕う気持ちがあるのか」

 それが知りたい、と智葉の表情に真剣味が増す。

照「それはできるし、ある」

 はず、と加えかけて口をつぐむ。
 なぜそんな言葉を言いかけたのか。
 続く智葉の指摘に思い当たる節があった。

智葉「ならどうして妹はいないなんて言った」

照「それは……」

 中学で麻雀をやめると聞いていた咲に自分が姉という事で余計なプレッシャーを与えたくなかったから。遠い長野にいる咲を見守るのはできないし、託せるような人にも心当たりがなかったから。
 言葉にして頭に並べてみれば何だか言い訳じみていて。苦し紛れに「咲は中学で麻雀をやめると聞いていたから」とだけ伝えると、

智葉「中学で……」

 いまいちぴんときていない、智葉はそんな様子で思案げに押し黙った。
 照としても話す気はない。
 これ以上は家族の事情だ。踏み込まれたくない。

照「だから……高校でも麻雀をしている事に驚いている」

智葉「まるで咲に麻雀をやめてほしいみたいじゃないか」

照「咲は競技麻雀に向いていない。……やらせるのは酷」

 智葉が非難の視線を向けてくる。随分と勝手な言い分だとは思う。しかしこの件に関して照は麻雀を捨てる覚悟があった。
 それほどに咲を麻雀に関わらせる事に懸念を抱いている。



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