過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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649:名無しNIPPER[saga]
2015/09/23(水) 07:46:33.00 ID:XX6TlV+G0

智葉「ん……そうだな、わかった。その方がいいだろう」

衣「衣も手伝おう」

 鷹揚に頷いてもらって安心していた矢先、咲は立ち上がった衣の提案に驚く。

咲「衣ちゃんはゆっくりつかってていいんだよ?」

衣「力を貸すというほど役には立てないが少しは足しになるだろう」

咲「でも……」

衣「何、衣はさしあたり観戦以外に予定はない。気を揉まないでくれ」

 気を遣って無理をするような気配は感じさせない。ならいいのだろうか。断るだけの理由が見つからず、なし崩しに頷く。

 視線を転じるとネリーは相変わらず舟をこいでいる。早く休ませてあげよう。湯冷めしないうちに運ばないといけない。

 三人でせっせと運ぶ。途中、明華たちも上がろうとするのを止めたり、早々に寝ぼけだしたネリーがラッコのように咲にしがみつき離れなくなって苦笑したり、ということがあったが、無事服を着せて寝室にまで運び終わる。

 この後、時間を置いて準決勝を控えた他校の分析が始まるまで寝かせてあげることが出来そうだ。

 ーーこの時、咲は今後にさしたる憂いを持っていなかった。悩みは粗方解消され、姉との縁だって何とかなるかもしれない。

 現状に不満なんてほとんどない。物事に対する姿勢、人との関係。何もかも今のままでいいとさえ思う自分が大きくなっていく。そのことに疑問を挟む気持ちもなくなりつつあった。

 けれど。

 咲は失念していた。自分以外が抱える、自分に関する問題というものを。



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