過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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648:名無しNIPPER[saga]
2015/09/23(水) 07:44:28.76 ID:XX6TlV+G0

衣「うん? 咲だってあるよね能力」

咲「え、能力って使えるの……?」

衣「何を今さら」

 何を今さらという顔をされた。

 衣によるとトランプに能力を使えるらしい。

咲「……うーん?」

衣「とにかく次は目にもの見せてやる」

咲「でも使えるんだったら何でさっきは使わなかったの?」

衣「……能力に頼るのはやめたんだ」

 考えるような間があった。秘めたものがあるのだろうか、咲にはその正体に見当がつかなかった。

衣「ところでさっきからやけに静かだな。ネリー……だったか? どうしたんだ」

 話題を体よく逸らされた気がするが、たしかに咲も密かな疑問を感じていた。全然ネリーが会話に加わってこない。どうかしたのだろうか。

 声をかけても反応がない。すぐ横で湯につかっているのに。ひたすら前方を見つめ、ぽけっと座っている。

衣「おい……大丈夫か」

咲「ネ、ネリーちゃん?」

ネリー「…………あー、うーん?」

 呂律の回っていない声が返ってくる。そして。ようやくしゃべったかと思うと、ゆらゆらと身体が揺れ出す。首も前後に揺れる。

衣「舟をこいでいる……?」

 もしかして、眠いのだろうか。

智葉「あー、疲れがきたか」

咲「先輩?」

 こちらの様子を見かねてか湯の中を歩いてきた智葉がつぶやく。

智葉「座談会のために夜遅くまで頑張っていたからな……」

咲「座談会?」

 なんだか優しげな表情の智葉。聞き慣れない言葉に咲は疑問を呈す。

智葉「咲は知らなかったな。来年あたりに聞くと思うがまあ定例行事みたいなものだ」

 曰く、座談会とは日本人部員の運用、時には留学生の運用も話し合われる場らしい。軽く説明してもらい、咲は満足した。

咲「それで……ネリーちゃんがその座談会に?」

智葉「ああ。雑用も手伝ってもらった」

智葉「それに……二回戦まで気を張っていたんだろう。ムリもない」

 後半の話が座談会とどう繋がるかわからなかったが、今聞き出すこともないだろう。急ぐべきはーー

智葉「よし、私が運ぼう」

 先に言われてしまい、咲は焦って立ち上がった。

咲「あ、あの、私も運びます」

 このままつからせておくのも危なっかしい。それにこんな状態のネリーを放っては落ちついて入浴などできないし、何より心配だ。

 咲の提案に智葉は視線を滑らせて思案げに唸る。



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