過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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664: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/09/26(土) 21:38:02.14 ID:+2rknuSMO



  広間は緊迫に包まれていた。

 レギュラー陣の憩いの場として用意されたそこにはいま、臨海が誇る留学生に、智葉と咲、そして、飛び入り参加した長野屈指の打ち手である衣と、謎の多い華麗なる執事ハギヨシが輪になっている。

 立つ者、座る者、膝立ちする者。畳の上に佇む彼らの体勢は様々なれど、ただ言えるのは輪の中心に屹然とそびえ立つものに押しなべて目を奪われているということ。

智葉「……ついにこのときが来てしまったか」

 眼鏡をかけサラシを巻いて胸を潰した智葉がしゃがみこんでそれの開封口に手をかける。

 凛然たる決意に燃えた濃紫色の瞳。そこから読みとれる覚悟は堅固を通り越して峻烈だ。

 着替えたばかりの衣服が濡れてもいい! お風呂上がりでさっぱりしたものが更にその湯上がりたまご肌を投げ出してようやく得られる程の力!

智葉「それじゃ……開けるぞ!」


 ーープシュッ。

 捻る力を加えられたキャップは避難する暇もないほどあっさりと開いた。空気が抜ける音、次いで何かが競り上がってくる不気味な音。

智葉「お、おおー……おおう」

 止めどなく溢れ出る白い泡は意味を成さない言葉をつぶやく智葉の健康的な白い肌を駆け上り、容赦なく手元から手首、一部は二の腕までも達した。

ダヴァン「イヤー、お疲れさまデスサトハ」

明華「しっかり見てました」

咲「わっ、すごい泡」

ハオ「うわ……べたついてますねここ」

智葉「ふう、それじゃあ飲むか」

衣「わーい、ジュースだー♪」

 時は2050年8月9日ーー振りすぎた炭酸のペットボトルを開封する儀式は賑やかに執り行われた。






 広間から廊下に出ると、間髪入れず背後の襖が開いて衣が出てくる。


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