過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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667:名無しNIPPER[saga]
2015/09/26(土) 21:41:32.56 ID:+2rknuSMO

咲「メグさん?」

ダヴァン「ネリーの部屋にいったとコロモから聞いたノデ」

咲「そうでしたか……じゃあ、私の場所を訊かれたらミーティングまでここにいると伝えてください」

ダヴァン「お安いご用デス!」

 快諾してくれたダヴァンにありがとうと伝え、笑いかける。

ダヴァン「ネリーのコト……頼みまシタ」

 その言葉が、妙に重く肩にのしかかるような言い方だったので、咲は首をかしげた。

咲「? えっと……はい」

ダヴァン「今日の二回戦……サキは気づかなかったかもしれマセンが」

ダヴァン「サキが帰ってくるまで、控え室のネリーは何だか様子がおかしかった」

ダヴァン「できたら気にかけてあげてくだサイ」

 真剣に告げられたダヴァンの忠告は寝耳に水だった。咲は驚きながらも神妙に頷く。

ダヴァン「ソレでは私はココでお暇しマス」

咲「あれ……帰っちゃうんですか?」

 ネリーの顔を見に来たのだと思っていた。

ダヴァン「様子を見に来ましたが、サキがいるなら安心デス」

咲「あはは……光栄です」

 そんなことを言うと、ダヴァンはくるっと踵を回らせて廊下を歩き出し、後は任せたと顔は向けないで軽く手を上げて去っていく。

 ダヴァンの後ろ姿が廊下の角に消えるのを見送る。忠告が気になりながらも咲は来た道を引き返し、ネリーの部屋に戻る。

 部屋は静寂に包まれていた。後ろ手に戸を閉め、玄関に入った咲は一つ息を漏らす。

咲「気を利かしてくれたのかな……」

 咲を一人部屋に残し、去っていった。そういえばネリーを寝室に運ぶ時、半分起きていたネリーを咲一人に任せていった智葉と衣。あれもお膳立てでもするようだった。

 まるで恋愛映画の男女を取り巻く周囲、仲立ちするかのようだ、と思うと苦笑が込み上げる。

 ネリーとーー女の子と恋愛関係になる。現実離れした話だった。

 勿論、他人事として理解はあるつもりだ。世界的に見れば同性愛に寛容な国が大半で、特に先進国、ヨーロッパでは受け入れられている。随分昔にキリスト教圏の大国で全国的に同姓婚が認められもした。

 だが、日本が少数派だとわかってはいても、日本で生まれ、日本で育ってきた咲としては恋愛は異性とするものという意識が強い。

 ーーって、そんなに深く考えることでもないか。

 ちょっとした作為的な振る舞いにおかしな連想をして思考が脇道に逸れてしまった。埒もない。

 ネリーはまだ寝ているだろうか。ミーティングの時間になったら否応なく起こさなければならない。そんなことを考えながら寝室へと足を運ぶ。すると、思わぬことが起こっていた。



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