過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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68:名無しNIPPER[saga]
2015/03/22(日) 12:10:22.08 ID:elEO7+rFO

智葉「お、おい……大丈夫か」

咲「なんか……腰が抜けちゃって……」

 智葉に助けてもらいながら立ち上がり、咲はひどく頭痛のする頭に鞭を打つ。

咲「先輩……その、ありがとうございます……」

 感謝の言葉を絞り出す。智葉の顔を窺うと、本調子ではない自分を気遣うような色があって、本当に頭が上がらなかった。

智葉「ったく、体調が悪いのに無理してんじゃないぞ」

咲「あう……ごめんなさい」

智葉「姉……照もこんな感じなのか? 本当に心配かけさせる」

咲「どうでしょう。お姉ちゃんとは何年も会ってませんから……」

 智葉がびっくりしたような顔をしていた。一瞬遅れて、咲も失言に気づく。

咲「あっ」

智葉「いや……すまん。そういうつもりじゃなかった」

 それが偽りでないのは見ていてわかった。何となくだが、そういう小細工をするような人ではない。そんな気がした。
 とはいえ、動揺は隠せない。姉が妹はいないと言う以上、伏せておきたい事実だったから。

咲「あの……この事は」

智葉「わかっている。他言はしない。約束する」

 智葉がそう言うならと咲は納得する。それよりも感謝の気持ちが上回っていた。

智葉「だがあいつは……いや何でもない。怪我はないのか」

咲「あ……はい、腕を掴まれただけなので」

智葉「家まで送っていく。そんな状態で一人では帰さんからな」

咲「うぅ……すみません……」

 智葉に連れられて帰宅した咲がネリーに衝撃を与えたりしていたが、その後は何事もなかった。
 せっかくだからぜひ夕食をと誘う咲に断りきれず智葉も食卓を囲む珍事はあったものの。
 この日の事は、智葉に対する咲の心証を大きく変える出来事になったのだった。


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