過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/03/22(日) 12:09:08.52 ID:elEO7+rFO
咲「う……やめ……っ!」
男たちはにやにやとしている。周りをみれば咲の体調不良などわからないからか、異常に気づく人はいない。
慌てる。見向きもしない通行人、どこかに連れ去ろうとするかのような男たち。背筋といわず総身を寒気が這い上がる。
咲「誰か、助……っ」
智葉「うちの部員に何やっているんだ」
そんなとき、男たちの前に立ち塞がったのは咲も知る先輩だった。
「は?」
「なんだこいつ」
智葉「何してんだって聞いてんだよ。おいお前ら、そいつの腕離せ」
「し、知らねえし」
「関係ないだろ……」
智葉「ああ? 知り合いだって言ってんだろうが。いい加減にしとけよ」
颯爽とあらわれた智葉はただ毅然とするだけでなく、鋭い眼光で相手を竦み上がらせていた。
尋常ならざる迫力に男たちが怯んでいる。それは咲の目にも明らかで、しかし咲と同年代の女の子が相手と知ると血相を変えた。
「は、はあ!? ふざけんじゃねーぞ!」
「女相手になめられっぱなしでいられっかよ!!」
何を血迷ったか、男たちは智葉に近づき手を上げようとする。咲は驚いた。なんて男たちだ。
咲を離して二人がかりで智葉に向かっていく。
危ない! 咲は思わず服の裾を掴んで男たちを止めようとした。しかし手が空を切り、いよいよ男たちが智葉の襟を掴もうとする。
その刹那、智葉が機敏に反応した。
智葉「ふんっ!」
襟に伸ばされた手を逆手にとって投げ飛ばす。
したたかに打ちつけられた男が苦悶の声を上げる。
あっさり仲間が倒されパニックを起こしたもう一人が、同じ様に襟を掴もうとして投げ飛ばされた。
智葉「調子に乗ってんじゃねーぞバカヤロー!!」
「ひいっ……」
「な、なんなんだよこいつ……」
智葉「ああ?」
眼光を飛ばす智葉に狼狽えて、今度こそ男たちは逃げ出す。蜘蛛の子を散らすようだった。
智葉「ふん……腰抜けが」
智葉「おい宮永、大丈夫だったか?」
もう意味がわからない。驚愕の連続で混乱し、胸の鼓動は早鐘を打つ。
お、おわったの……?
咲はへたりとその場に座り込んでしまった。
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