過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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67:名無しNIPPER[saga]
2015/03/22(日) 12:09:08.52 ID:elEO7+rFO

咲「う……やめ……っ!」

 男たちはにやにやとしている。周りをみれば咲の体調不良などわからないからか、異常に気づく人はいない。
 慌てる。見向きもしない通行人、どこかに連れ去ろうとするかのような男たち。背筋といわず総身を寒気が這い上がる。

咲「誰か、助……っ」

智葉「うちの部員に何やっているんだ」

 そんなとき、男たちの前に立ち塞がったのは咲も知る先輩だった。

「は?」

「なんだこいつ」

智葉「何してんだって聞いてんだよ。おいお前ら、そいつの腕離せ」

「し、知らねえし」

「関係ないだろ……」

智葉「ああ? 知り合いだって言ってんだろうが。いい加減にしとけよ」

 颯爽とあらわれた智葉はただ毅然とするだけでなく、鋭い眼光で相手を竦み上がらせていた。
 尋常ならざる迫力に男たちが怯んでいる。それは咲の目にも明らかで、しかし咲と同年代の女の子が相手と知ると血相を変えた。

「は、はあ!? ふざけんじゃねーぞ!」

「女相手になめられっぱなしでいられっかよ!!」

 何を血迷ったか、男たちは智葉に近づき手を上げようとする。咲は驚いた。なんて男たちだ。
 咲を離して二人がかりで智葉に向かっていく。

 危ない! 咲は思わず服の裾を掴んで男たちを止めようとした。しかし手が空を切り、いよいよ男たちが智葉の襟を掴もうとする。

 その刹那、智葉が機敏に反応した。

智葉「ふんっ!」

 襟に伸ばされた手を逆手にとって投げ飛ばす。
 したたかに打ちつけられた男が苦悶の声を上げる。
 あっさり仲間が倒されパニックを起こしたもう一人が、同じ様に襟を掴もうとして投げ飛ばされた。

智葉「調子に乗ってんじゃねーぞバカヤロー!!」

「ひいっ……」

「な、なんなんだよこいつ……」

智葉「ああ?」

 眼光を飛ばす智葉に狼狽えて、今度こそ男たちは逃げ出す。蜘蛛の子を散らすようだった。

智葉「ふん……腰抜けが」

智葉「おい宮永、大丈夫だったか?」

 もう意味がわからない。驚愕の連続で混乱し、胸の鼓動は早鐘を打つ。
 お、おわったの……?
 咲はへたりとその場に座り込んでしまった。


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