過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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726: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/10/18(日) 00:53:19.20 ID:8RJmuE7To



 朝方の爽やかな空気にさっと肌を撫でられ、空を見上げる。晴れ渡った空が青々しい。旅館から近場のコンビニまでの道の途上。日傘を差した明華と連れ立って、咲は車道脇の歩道を歩く。

明華「LaLaLaーーあ、そっち危ないです」

咲「ど、どうも」

 道の行く先の街灯を先んじて見つけた明華が注意を促す。朝からの練習で若干注意が散漫してしまっていたが、咲は余裕をもって避けることができた。

 一方、明華は道中鼻歌やメロディーを口ずさむ。往年のジャズの名曲に始まり、今は人生を面白おかしく歌ったシャンソンを口ずさんでいる。

『変えられるんだったら……ネリーは前の打ち方のほうがいいな』

『今打ってるそれは……なんか、嫌』

 思い返されるのは、対局の練習中にかけられた言葉。

 ネリーは、何を思ってその言葉を伝えたのか。反射的に怯えて逃げ出してしまってから、ずっと気にかかっていた。舗装された地面に広がる、朝の光りに磨かれた敷石を漫然と眺めながら歩道を歩く。

明華「わっ」

 そうしていると、いきなり明華に脅かされた。いつのまにか前に回り込んでいたようだ。ひえっ、と変な悲鳴をあげてしまう。

咲「えっ、え?」

明華「もう着きましたよ」

 ほらあそこ、と指を差す先にはコンビニがある。

咲「あ……」

 二車線の車道を挟んで向こうの歩道。その道沿いに建っている色んな店の中にあるコンビニを一目見て、

咲「す、すみません!」

 慌てて明華のほうを向き謝る。完全に不注意だった。

明華「大丈夫です、どっちにしてもまだ信号待ちですから」

 見てみればその通りで信号に足を止めている格好だ。自分が今そうしているのに気づかないほど混乱していた。横断歩道の向こうにある赤く点灯した信号にほっと息をついて明華を見つめ返す。



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