過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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◆JzBFpWM762
[saga]
2015/11/06(金) 20:08:14.00 ID:rfIZ9CGP0
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明華と協力して店内を物色する。回っているうちに買い物かごの中にはどんどんと商品の山が築かれていく。
薄力粉。だしの素。塩。カップ麺。醤油。酒。みりん。鶏卵。チキンラーメン。天かす。青のり。粉かつお。オタフクソース。ソース焼きそば。マヨネーズ。ポンズ。一リットルサイズのペットボトルに入った水ーー、
咲「あの……これ、なんなんですか?」
明華「はい?」
プロセスチーズの袋を手にとって確かめていた明華が呼ばれて振り返る。
咲「買い出しですよね?」
明華「買い出しですよ」
咲「部の……買い物なんですよね?」
買い物カゴを占領しつつある商品の数々にチラと視線を移し、咲が訝しげに訊く。すると。
明華「ええと実はですね、これは――」
淡「たこパだっ!!」
今にも秘密の種明かしだという雰囲気を匂わせる明華の説明が始まった途端、元気な声がして、二人の間にひょこっと淡の顔があらわれる。
咲「え?」
淡「ん、これたこ焼きの材料でしょ? たこパってやつでしょっ」
天真爛漫な淡の言動につられて、表情に疑問を浮かべていた咲はもう一度カゴの中身を見やる。
言われてみればそうかもしれない。少しばかり余計なものが紛れ込んでいるが、材料としてはお好み焼きの類いに近い。たこ焼きにもとれる。足りないのは肝心のタコくらいか。
咏「へー、たこ焼きパーティ? 楽しそうだねぇ」
と思っていると、少し離れた場所で眺めていた咏が歩いてきて軽い調子で加わる。
誠子「お、おい大星っ、話の邪魔をするんじゃない」
淡「へっ?」
だが同じく近づいてきた誠子は、目を離した隙に悪戯をしでかす我が子を見咎めた親のように駆け寄ってきて、淡の腕をひっぱる。
誠子「重ねがさね迷惑をおかけしてすみません。こいつにはよく言って聞かせますんで……」
明華「ああ、いえ構いませんよ」
ぺこぺこと何度も頭を下げる誠子。この場で顔を合わせてからもう何度目になるだろう。気にしていない風に返す明華も少々苦笑い気味だ。
誠子「ええとそちらの……宮永さん? もごめんね」
咲「いえ……」
謝りの言葉が咲の方にも入れられて、咲は萎縮したように会釈しながら思い返す。先ほどあったやりとりのことだ。淡は、店内に入る咲たちを目にすると出し抜けに声を上げ、素早く近寄ってこう言い放った。
淡「泊まってるとこいく前に会えちゃうなんてラッキー! これが飛んで火に入る夏の虫、いやサキだねっ!」
そして彼女はどういう因果か「白糸台の控え室においでよ」と言い、誠子が「いや、控え室は……」と渋い顔をすると今度は「そっか、なら宿泊先! うちのホテルにきてっ!」と言い出し、それからしきりに誘いをかけてくるのだ。咲の手をとって。
実際には自力で淡の手から逃れたり、明華が間に身体を差し込んだりするので厳密にいえば『手をとろうとして』だが、どちらにせよ少なからず咲たちが手を焼いたのは確かだ。
腕を掴みひっぱり込んだ淡の頭にもう一方の手を置いて押さえつけた誠子は、そういった経緯を気に病んでいるのかひたすら謝りっぱなしだが、
誠子「大星もこの通り反省して……」
淡「フローズンドリンク飲みたい」
両者の言動は真っ向から食い違っていた。「大星!」鬼の形相になった誠子が厳しい視線を飛ばす。
淡「えー、私はサキを連れて帰ろうとしてるだけだよ?」
誠子「それが迷惑なんだ!」
淡「ぶー」
しかし叱咤を受ける当の淡は暖簾に腕押しといった具合で動じず、ふくれっ面を開けっ広げにさらしている。
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