過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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746:名無しNIPPER[sage]
2015/11/06(金) 20:56:44.85 ID:rfIZ9CGPo
淡「わ、わかった、そっちの髪白? 銀? ええっと外国の人も連れてっていいから」

淡「――はい三枚、これでいい?」

 スカートからさらに一枚取り出すと元からあった二枚の上に重ね、差し出すように見せて示す。明華の分もあるのは好印象だけれど。咲の顔には苦笑が浮かぶ。

咲「ええっと、さっきも言ったけど部の買い出しの途中なんです」

淡「それ終わってから! パパっと決めて、パパっとみんなで買い出し終わらせたら、いっぱい遊べるよ!」

淡「すごいよー、東京でもいっちばん大きいレジャープールなんだから。長野からきたサキなんて腰抜かしちゃうよっ」

咲「ムリですよ。部の練習がありますし」

 つい先刻練習室から飛び出した身でと思いながらも口実に断ろうとする。

淡「まあまあ、息抜きも大事。大体大会始まってから練習練習ってやってもアレでしょ? 一日くらい」

咲「……あの、気になってたんですけど」

淡「ん?」

咲「まだ試合中のはずじゃ……?」

咲たちが旅館の練習室でBブロックの二回戦が始まるのを見てから、まだ半刻と経っていない。それがあってか明華などは対面したときから怪訝そうにしていたが、咲も妙だとは思っていた。

淡「あー、ああーそれね」

 疑問を受けて淡が大したことなさそうに答える。

淡「うん、私は大将だからね、出番まではモラトリアムがあるっていうか」

 淡の背後で誠子が眉頭を押さえている。咲はひえっと息を呑んだ。

咲「そ、それ……まずいじゃないですか!」

 二回戦で試合を終えた咲が辺りをぶらついた比ではないくらいまずい。戦慄に身震いする。単純に問題だし、万が一姉のいる白糸台が敗退扱いになったら咲の望みまで断たれかねない。割とシャレにならない焦燥が咲を襲う。

淡「だからね? サキがついてきてくれたらすぐ戻れるなーって」

咲「そういう問題じゃ」

淡「ほら、買い出し終わらせて会場きて私の勇姿拝んで、それでプール! 完璧ハナマルっ」

咲「いえですから」

淡「うるせえ! いこうっ!!」

 押し問答の末、「ドン」と出た淡の頭に誠子のゲンコツが落とされる。

淡「あだっ」

誠子「いい加減にしなよ、大星。もう戻るぞ」

淡「……えー、どうせ大将の私まで回ってくるのは何時間か先だって」

 誠子が淡を捕まえようとするが猫を思わせる俊敏さでヒラヒラとかわされ、咲の背後へと隠れるように回ってしまう。


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