過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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796: ◆JzBFpWM762
2015/11/24(火) 19:50:54.56 ID:A0S2go5Qo
淡「――ねっ、どう?」

 だから――甘い言葉で惑わさないでほしい。大切なものを犠牲にするかもしれない夢を見させないで。

咲「なんなんですか……なんなんですか、あなた……」

 わなわなと唇が震える。感情がとめどなくあふれて、蛇口が壊れてしまったかのようだった。心配げに自分の様子を見守る明華の表情が、期待にも似た何か別の色を湛えているように錯覚するほど、冷静さという冷静さが抜け落ちていく。

淡「……ふふ、もう帰れって言わないんだね?」

 狙いすました顔で見透かすようなことを言う淡の口ぶりに、歯噛みしてきっと睨みつける。白昼の快適な店内で制服の下に隠れた肌がじっと汗ばんだ。





 その後、張り詰めた空気の中で一旦買い出す品の会計を済ませて咲たちはコンビニを後にした。白糸台の淡や誠子、そしてどうしてか咏も伴って。というのもコンビニを出ようとしたのは、

咏「いやー、そろそろ場所移したほうがいいんじゃない?」

 という咏の助言があったからだ。周りの好奇やあるいは端的に言って煙たがる視線が気になってきていた咲はその助言を採り入れ、明華の預かったメモにある品が買い物かごに揃っているのを確認してひとまずレジに持っていった。すると。

咏「話し込むならすぐ近くにちょうどいいカフェがあるからさ、そっちいこうよ。お金は私が払うし」

 続けざまに咏の提案。と、ここらあたりになってなぜ咏が加わる流れになっているのか、最初顔を合わせたときによくわからないまま挨拶して以来、これといって言葉を交わしていなかった咲が疑問を呈すると、

咏「よくわかんないけど一応大人もいたほうがいいっしょ。大会のスタッフとして白糸台の子たちが戻るのを見届けないとだし、はやりさんの手前、咲ちゃんのほうも放っとけないしね」

咏「あっ、もちろんキャンプとか一緒するって誼もあるよ。私としても咲ちゃんのこと全く気にならないわけじゃないからねー、しらんけど」

 説得力があるようなどこか腑に落ちないようなことを言って、やや強引に咏が咲たちを先導していく。
 そしてコンビニでのやりとりから十数分した後、採光のよい広々としたカフェの奥の方に咲たちの姿はあった。


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