過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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800: ◆JzBFpWM762
2015/11/24(火) 19:55:16.71 ID:A0S2go5Qo
咲「でもお願いがあります。私との話が終わったら、すぐに会場の方に戻ってくれませんか」

 淡の瞳を見つめて、真摯な態度で頼む。くりっとした淡のそれが、予期しないものに遭遇したようにパチパチと瞬いた。

淡「……いーよ。でも、私が満足しなきゃ終わらせないからね?」

 不敵な笑みで獲物を狙うかのように宣言する。なんというか、思わせぶりな態度をとる人だ。でもそれだけに、どんな思惑をしているのか気になる。それは混じり気のない気持ちだった。

 少しだけ。少しだけ、知りたいと思うようになっていた。妬みではなく、恐怖にかられた詮索でもなく。

 ネリーに抱いたような、明華に抱いたような――今のチームメイトみんなに抱くものと同じ。それはおそらく、純粋な興味。

『咲、大事なのはひた向きに相手をよくわかろうとする気持ちだよっ!』

 昔教えられた言葉と共に、大切な人の姿が脳裏に蘇る。たくさんの言葉、そしてたくさんの想いをくれた人。

 ――もう二度と、戻ってはこない人。

咲「わかりました。満足するまで付き合います」

 穏やかな顔の裏に苦い思いを噛みしめながらも、咲は微笑んで淡の言葉に答えた。







 大きな湖が見える公園のプロムナード――青々とした芝生のうえに陣取って、車椅子に乗った彼女と、幼い自分とが向かい合って。思い出通りに会話が始まる。



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