過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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◆JzBFpWM762
[saga]
2015/11/28(土) 22:20:07.46 ID:7Izo+H9No
淡「だよねー! やっぱサキとは気が合うなあ、もうサキの学校に転校しちゃおっかな」
他方、図らずも同調されることが続いた淡の機嫌はたちどころに回復し、いかにもその場で思いついたようなことを口にしてすっかりご機嫌だ。
――だからそのとき、咲は転校だなんだという話を真に受けなかった。
それは先輩への可愛らしい反発心の発露か、もっとわかりやすく会話にメリハリをつける何かで、その場限りの冗談だと思っていたから。
咲はこれを血液のようなものだと考えている。心臓に供給される血液が常時入れ替えられ、それによって体の健康を維持するように、この手の冗談はやりとりに緩急を生み、円滑にする。あいまいな感情を表せる。そしてコミュニケーションという体の健康を保つことで日々の暮らしは彩られるのだ。自分のものも、他の人のものも。
こういう冗談に振り回された経験が咲には何度かあった。ただ、それで機嫌を損ねたことは一度もない。なぜだろう。先に述べたような必要の正当性から仕方ないと考えているわけではない。中学時代、麻雀をするときの雰囲気をシューベルトの曲になぞらえて魔王だと周りで連呼されていたときも、罰ゲームで自分に告白するという同級生の悪戯を受けたときも――幼いころ姉のサプライズまがいの茶目っ気に付き合わされたときも――内心にでも怒るということをした覚えがない。
そういった咲の性質を前にすると、麻雀の際の印象で咲という人物像をイメージしていた人などは意外と『いい子』だという。しかし咲にはそれが、ちっともいいことだとは思えないのである。
店内にゆったりとした雰囲気をつくっているボサノバの情緒的ながらも軽快なリズムの音楽とはちぐはぐな陰鬱さを秘めたその思案はひっそりと行われた。
淡「ね、サキはどう?」
咲「え?」
淡から問いが投げられる。考え事にうつつを抜かしながらもただ単純にどういうことかと疑問を持った風に咲が答えられたのは偶然だった。礼を失した自らの態度を叱りつけて気を引き締めなおし、耳を傾ける。
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