過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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945: ◆JzBFpWM762[saga]
2016/01/08(金) 04:38:45.61 ID:sje/R7fvO
「それはそうと咲さん」

「はーっ、はーっ、……な、何でしょう?」

「買い物、いきましょうか」

「……へっ」

彼女が呆然とします。なんと口が半開き。貴重な表情が見られた気がします。

「七草がゆと、追加のお雑煮とかの材料買いにいくんですよね?」

たしか、そういう理由で買い物に誘われたと記憶している。臨海の面々は大食らい、というか咲さんの料理ならいくらでも食べてしまうところがあるから、せがまれて作ることになる咲さんはかなり苦労してそうです。せめて雑用は手伝ってあげましょう。私も食べたいし。

「あ……は、はい、そうでした。よろしくお願いします」

ぺっこりん。そんな効果音が聞こえてきそうな感じに頭を下げてくる。昔……といっても数ヵ月ほど前ですが、その頃と比べると頭の下げ方ひとつとっても違います。昔はなんというか、もっと慇懃で、他人行儀な感じでした。

ほんとうに打ち解けてくれたんですね……しみじみと感慨がわき上がってきます。

「あの、明華さん?」

あらいけません。ぼうっとして心配をかけてしまいました。

「いえ、なんでもないです。それより、いきましょうか」

何事もなかったかのように言う。
平静を取り繕う……というか、表情を変化させないのは得意です。隠そうとしなくたって、動揺が表に出ることもほとんどありません。

以前は……生来のポーカーフェイスであることに思うところがなかったとは言えない時期もありましたが、今となっては吹っ切れて、過去の話です。

それもーー、

「はいっ、いきましょう!」

目の前で屈託のない笑顔を向けてくれる彼女のお陰かもしれません。
私は、自然と浮かぶ無機質な微笑みではなく、心からの微笑みを浮かべて彼女の……咲さんが差し出した手をとりました。


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