過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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959: ◆JzBFpWM762[saga]
2016/01/12(火) 23:32:54.74 ID:wCVwz0P2o
>>929 冒頭の情景描写が矛盾してたのに気づいたので修正。万一意味があるようにとられると悪いので細かいですが一応

>ノートや教材の紙面を走るシャーペン――メカニカルペンシルのほかに目立った物音を立てるもののない静かな部屋で

>ノートや教材の紙面を走るシャーペン――メカニカルペンシルのほかに目立った物音を立てるのは時計くらいの静かな部屋で、








「ども、昨日ぶりっす!」

顔を合わせた彼の第一声はそれだった。

ファッションビルの中に入り、もの珍しげに辺りを見回す咲をネリーがひっぱって移動していると、にぎやかなゲームセンターのフロアで彼、正しくは仲間らしき青年たちと合わせ三人、彼らとの対面がかなった。

往来の盛んな広い通路を周囲に気を配りながら歩いていたネリーと咲の顔を見るなり、おーいと親しげに声をかけて近寄ってきた。

そして、合流した五人の中から金髪の彼が先陣を切って会話を始めた。

「……酒くさ。ほんと、酔ってるんだね」

「いやぁ〜それほどでもないっすよぉ〜」

なぜか謙遜するような物言いで、明らかに不機嫌なネリーの苦言めいた響きの言葉に彼は返した。

「褒めてないっての。むしろ怒ってるからね?」

それは、例の電話口で不用意に大声で話しかけて、結果咲にも筒抜けにしたことで言っているのだろう。

「あ〜いや、その……ねぇ……スンマセン」

一方、一目でそうとわかる赤ら顔の彼は、途端に語勢をなくして最後には消え入りそうな声で謝罪した。

「はあ……落とし前はきっちりつけてもらうからね」

続けて、ネリーが言った言葉に彼はぎょっとした。そして竦んだように身を震わせる。

「お、落とし前?」

「ん? 違ったか、お詫び? とにかく、契約か請け負う仕事になんかサービスしてもらわないと許さないから!」

「あ、あぁ……なるほど、そ、そういうことすか」

ネリーの意を得た、と一緒に勘違いが正されたのか安堵を滲ませながら金髪の彼がひきつった笑みを浮かべる。

「それは、もちろん……料金なんか勉強させてもらうんでどうか、水に流してもらえるんであれば」

よほど堪えたのと謝意があるのだろう、金髪の彼はいつもの軽薄さを取り払ったうえで媚びるような笑みを浮かべて言った。

ネリーもそこまでされたら溜飲も多少は下がったようだ。むっすりとして腕を組みながらも、それ以上文句を口にしなかった。


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