過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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964: ◆JzBFpWM762[saga]
2016/01/12(火) 23:38:03.47 ID:wCVwz0P2o
(ゲ、ゲームセンターにいる人って恐い人とかいないかな……)

と、平静そうな表情を浮かべる内心びくついていた。

けれど、後ろにいる青年たちの存在を思い出す。

(あっ、付き添いってそういう意味なのかな……?)

夜の渋谷で少女二人で人を捕まえては話を聞く。伝え聞いている感じでは、相当危ない事のようにも思える。昼間と比べれば柄の悪い人たちとも遭遇しやすいだろうし。ゲームセンターともなれば場所によってはいわゆる不良集団が溜まり場にしていそうなイメージすらある。

その辺りの事情を鑑みると、先ほどまで少し得体のしれなかった青年たちの存在が頼もしくも思えてきた。

探偵のような仕事を請け負う人たちの中から付き添いに選ばれているのだ。荒事にも多少は慣れているのかもしれない。

(そういう人たちを雇うのっていくらくらいかかるんだろ……?)

咲の聞いている感じでは、ネリーが夜の渋谷にこうして出かけるのは今日に始まったことではないのだろうし、だからこそ咲は、「夜の街に出かけるのはやめておいたら……」とネリーに控えめに言って、幾らかの問答の末、聞き入れてもらえなかったのでネリーについていこうとしたのだ。

問答した際のやりとりが思い出される。

『その……夜の街って危なくないの?』

『そうだね。昼と比べたらやっぱり危なくないとは言えないと思う』

『そう、だよね。……あの』

『……うん?』

言いにくそうにした咲が何を言おうとしているか、ネリーは薄々察している風だった。その上で彼女は、少し面倒くさそうな顔をしていたように思う。

『その、今からいく用事って別の日……休日の昼間とかには、できないのかな』

『どういう意味?』

ネリーは、少し迷惑そうだった。咲も、差し出口とわかっている。しかし言うのをやめられなかった。

『ほら……今日は木曜日だし。あさってになれば週末だから……そのときじゃ、ダメなの?』

そう。今日は木曜日。あさっては土曜日で……土日は部活も午前中で終わる。大会前以外はそうなのだと、監督から説明があった。二〇一〇年代にもあった、部活動に適正な休日や活動時間を設けるという、国の方針を汲んでの事らしい。適正な休日とは週休二日なのだそうだが、流石にそこまで削るのは難しかったのか、それでも土日の練習は午前中までとなっている。

閑話休題。だから、今日と明日我慢すればわざわざ夜の街に行く必要はないのではないかと、咲は遠回しにそう言ったのだ。

まるで彼氏を過保護か束縛しようとするちょっと重い女みたい。

なんて事を頭の隅で思いつつ、しかし咲は夜の街にネリーが出かけるのを止めようとしたのだ。

でも。


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