過去ログ - 浜風「私達はきっと人間の出来損ない」
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30: ◆XTxK6n/lbg[sagesaga]
2015/03/21(土) 00:19:58.24 ID:1RmluRqaO
潮さんの話を聞く限り、彼女が提督に対する恋心を暖めていた期間は、私の予想していた時間よりもずっと長いようだった。
彼女がこの鎮守府に着任して間もないある日のこと。
艦娘として初めての休日を迎えた彼女は、
同室で暮らす、複数の自分以外の非番の艦娘と過ごす時間に耐えられず、とにかく部屋を出た。
かといってやりたいことがあるわけでもなく、
どう過ごしてよいのかわからずにふらふらと廊下を歩いていたという。

「そうしたら、提督が書類の山を抱えて廊下の向こう側から歩いて来られたんです」

潮さんは緊張したらしい。無理もない。なにせ提督は鎮守府に勤務する唯一の男性で、階級の最も高い存在だ。
臆病で気の小さな、そして男性に対し良い思い出のなかったはずの潮さんが平静でいられるはずもないたろう。

「そうしたら、すれ違いざまに提督がクリアファイルを一枚落としてしまいまして」

固くなったあまり挨拶すらできずに通り過ぎようとしていた潮さんも、これには無視を決め込むわけにもいかなかった。

「思わず声をかけたんです。落ちましたよ、って」

そして、すぐに落ちていた書類を拾った。


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