113: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:35:52.05 ID:LVslMNkxO
最早諦めるしかないのか、と、だらだら嫌なボランティア活動を続けるなか、しかし、ある時妙案が思い浮かんだ。
メルヘンは諦める、魔法少女をやめるのも諦める。だからせめて見返りを貰おう。というモノだった。
114: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:37:05.27 ID:LVslMNkxO
さらに、インターネット環境の整ってそうな人間を助ける。
不良に絡まれていた若者、迷子の学生、締め切り間近の漫画家のアシスタントまでしてあげた。
115: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:38:49.25 ID:LVslMNkxO
噂を流し、時にはスマートフォンを使った自演行為も行い、更にはネット掲示板でも似たような行いをした。
噂がじっくり浸透した頃を見計らい、今度はこんな噂を流した。
116: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:40:25.46 ID:LVslMNkxO
そしてポストを設置してから一週間。やっとポストに手紙が投函された。
封筒には1000円札と、「いじめっこを凝らしめてほしい」と書かれた手紙が入っていた。ご丁寧にどこの学校のどこの生徒かも詳しく書かれてある。
117: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:41:56.39 ID:LVslMNkxO
そして実績を増やしていく毎に、ポストに投函されるお願いと現金の量も増えていく。クロースは沢山の見返りを得ることが出来た。
そしてそれを続けて早4年。ポストに物騒な依頼を投下されることも増えてきた。更に都市伝説の1つとしてテレビで考察番組が放送されるまでに至る。
118: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:43:20.92 ID:LVslMNkxO
「……」
ポケットに突っ込んでおいた魔法の端末を手に取る。これは魔法少女になった日にリリから貰った。主にリリや魔法の国との連絡に使われる。
119: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:46:24.94 ID:LVslMNkxO
夜の学校というものは不気味なモノだ。それが人のよりつかなくなった廃校であるならば、その不気味さはいっそう増す。
クロースはグラウンドに立ち、集合場所の廃校を見上げながらそう思った。
120: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:47:31.04 ID:LVslMNkxO
二階の教室には既に幾人かの少女がいた。それぞれ用意された椅子に大人しく座っている。用意されていた椅子の数は十六個。そしてその内十五個が既に埋まっていた。
あたしが最後か。
121: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:48:37.77 ID:LVslMNkxO
「あれ?なにこの沈黙。もっと反応して欲しいもん」
そんなことより試験の説明をしろ。どこからかそんな声が聞こえた。
122: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:51:26.13 ID:LVslMNkxO
「ここに集められた皆さんは、魔法少女に相応しくない行動をしたとして集められましたぽん。本当なら今すぐにでもやめて欲しいとこだけど、魔法少女はいつだって人手不足。あっさり止めて貰う訳にもいかないぽん。だから再試験を受けて合格し、正しい魔法少女として立派に再スタートしてほしいとファムは願ってるぽん!」
話に力が籠り、その拍子に羽が小さく震えた。半透明の羽が灯りを反射してキラキラ光る。
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