134: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 23:39:31.40 ID:LVslMNkxO
そしてついに、狼がロボットを捉えた。銀色のボディに食い付き、ひっくり返す。ロボットはタイヤで動いていたようで、剥き出しになった背面の四隅にちっちゃいタイヤが四つ付いていた。無駄な抵抗なのに動くタイヤがなんだか哀愁をさそった。
さらに真ん中には「押してください」と言わんばかりの巨大な赤いボタンがついていた。
その時、狼が身を震わせた。後ろ足で立ち上がりそのまま人の形に戻っていく。
あれが変身前の姿か。ピンと立った狼耳と銀髪に目を奪われた。ご丁寧に尻尾まで付いている。
「ファム」
狼の魔法少女がファムを呼ぶと、淡い光と共にファムが登場した。
「はいはいなんですもん?質問なら随時受け付け……ってもう捕まえたもん?!」
ファムは飛び回りながら大袈裟に喜んで見せた。
「すごいもん!流石ウルフハート、ネズミなんて目じゃないもん!」
「御託はいい。それよりどうしたらこれを捕まえた事になるのか教えろ」
狼の魔法少女……ウルフハートによれば、何度かボディに触れはしたが、それだけではロボットは止まらなかったそうだ。
「あーそれなら、その真ん中の赤いボタンを押せば捕まえた事になるもん」
ロボットの元へしゃがみながら、ボタンの上に手を這わせた。
「やはりこれか」
「分かったんならわざわざファムを呼ぶ必要なかったとおもうもん」
「確認のためだ」
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