26:名無しNIPPER
2015/03/25(水) 22:38:09.73 ID:hwCsfjB3O
と、僕が死を覚悟したところで、教室の後ろのドアが開く。
「すいませーん…遅れちゃったんですけどー」
男が廊下から、教室へとひょこりとを顔をのぞかせた。
27:名無しNIPPER
2015/03/25(水) 22:38:43.83 ID:hwCsfjB3O
「さーせーん」
男はそうへらへらと答えると、椅子に腰掛け、荷物を机の脇にかける。
「せんせー、遅れてきていうのもなんですけど、そこらへんにしといてあげてください、こいつら俺に付き合って遅れただけなんで」
28:名無しNIPPER
2015/03/25(水) 22:39:13.57 ID:hwCsfjB3O
男の隣の席は大変素晴らしいものだ。勉強は教えてもらえるし、何より男の隣だからだ。男の隣だから男の隣がいい。あれ、ゲシュタルト崩壊。
「男くん?上に報告しなくちゃいけないから、一応、遅刻の理由、教えてくれないかしら」
僕たちが席に着くと、担任がそんな事を言う。ところで男は気づいているのろうか、クラスでくん付けは自分だけだということに。他のクラスメイトは基本は名前呼び捨て、ひどいときにはそこの人とか、前の席から何番目のメガネとか言われている。授業がうまく無ければ、速攻退職物である。逆に言えば授業だけで自分の評価を底上げしているチート教師だ。
29:名無しNIPPER
2015/03/25(水) 22:39:39.97 ID:hwCsfjB3O
「あっと、ちょっと足捻っちゃって…」
男がそう言いながら手で首の後ろをかく。嘘ついてるな。嘘をつく時は何時もそれだ。まあそうじゃなくても、一緒にきたから嘘か本当かわかるけど。
本当は、通学路の最中の踏切で足止めをくらい、もう面倒くさいとなげだしたのだ。主に男が。あとは、僕たちもずるずると男のペースに引き摺られ、少しずつ、走るスピードを落としていったのだった。最終的には、有酸素運動することが目的で走っている老人みたいなペースになり、最後まで、悪戯に心臓の鼓動のペースだけは下がらないままであった。
30:名無しNIPPER
2015/03/25(水) 22:40:30.26 ID:hwCsfjB3O
「あら、そうなの。大丈夫なの?」
そう言って担任が首を傾げる。わざとらしく。他の人だと、「あらそう」というぐらいだというのに。
そういえばこの人も婚期迫ってるとか愚痴ってたなぁ…。生徒に色目をつかうとは、なんとも哀れなことだ。哀れすぎて、嫉妬心もわいて来ない。
31:名無しNIPPER
2015/03/25(水) 22:42:19.22 ID:hwCsfjB3O
はい、なんかコメディ一色ですね。まあ、基本はこんな感じと恋愛パートを交互って感じですかね
32:名無しNIPPER[sage]
2015/03/25(水) 22:53:04.86 ID:/GSAXlkXo
乙
33:名無しNIPPER[sage]
2015/03/26(木) 10:13:16.52 ID:5GE1E5v2O
乙乙
貴重な男の娘物
期待してる
34: ◆3o5ksYdBDI
2015/03/27(金) 20:42:16.05 ID:XoOdzPKyO
いつも少ないがそれよりも少ない。投下します。
35:名無しNIPPER
2015/03/27(金) 20:43:40.75 ID:XoOdzPKyO
その後は特筆すべき出来事もなく、時間がすぎていった。
昼休憩のチャイムがなった。授業に集中すると時間は直ぐにたってしまう。
授業に集中している事からも分かるように、僕は別にお馬鹿さんではない。授業は真面目に聞くほうだし、やることはきちんとやっている。成績は一応学年でも五分の指には入るくらいだ。学年の五英傑だ。なんかかっこいい。
36:名無しNIPPER
2015/03/27(金) 20:44:27.70 ID:XoOdzPKyO
僕が真面目に授業を受けている間に男が何をしていたかというと、睡眠、たまに起きて板書の繰り返しだ。それで学年トップなのだから色々とおかしい。
まあ、といっても、男にも限界はある。
男は、暗記教科のときは起きている。いくら頭がよくても、用語を知らなくては意味がないとのことだ。流石に何も知らない天才に、江戸幕府初代将軍は、と聞いても、徳川家康と答えれる人はいないだろう。いたらそいつは天才なんかじゃなく人外そのものだ。この文字の羅列を一字も間違わずに言うのだから。まさに天文学的確率という奴を引き当てなければならない。
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