過去ログ - 【ダンガンロンパ】ダンロンでほのぼのと百合百合したい
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◆AZbDPlV/MM
[saga]
2015/03/29(日) 15:17:29.69 ID:rZdYaM450
霧切 「あなたが空木 言子さんね。はじめまして」
空木 「お姉さん誰ですか?」
霧切 「しばらくあなたの教育係になる霧切 響子よ。よろしく」
空木 「教育係なんて、えっちぃ響きですねー! 逆に私がキャワイイお姉さんを教育してあげたいところでーすっ!」
明るく楽し気に、いたいけな少女には似つかわしくない発言をする彼女は、塔和シティで大人と子供の対立をけしかけ、大人の虐殺、暴動に加担していた子供の内のひとり。空木 言子。
彼女と他に行動をともにしていた少年3人《希望の戦士》は大人、かつては操り味方だった子供も、制御していたリーダー格の少女が姿を消したことで制御が利かず敵となってしまい、そんな敵しかいない塔和シティでボロボロの状態で残っていた。大人や子供と闘っていたのだ。
自業自得であるとはいえ、まだ彼女達は幼い。大人を憎むのに充分な理由もあれば、リーダー格の少女に踊らされていたという部分も、苦しいがあった。放っておくわけにはいかない。未来機関で保護し治療を施した。
そして、暴動の件もあり《希望の戦士》達をどうするべきかという話が挙がる。彼女達は自分達を《希望の戦士》と謳っていた。つまりは、彼女達が望んでいるのは絶望ではなく、希望。私達が対立している絶望には染まっていないことから、まだ間に合うとふみ、交代制で彼女や彼らの面倒、教育をおこなうという結論に至った。
そうした経緯により、空木 言子に私が充てられたのだ。
霧切 「まず、あなたの話を聴きたいわ」
空木 「私の話? それは過去の話が聴きたいってことですか?」
空木 「他人の過去を根掘りするのがお姉さんの趣味なんですねー? 悪趣味です、キャワイくないです」
さきほどの可愛らしい笑顔から一転し、敵意を露わにした瞳で私を睨めつける。
空木 「私はお姉さんの過去を聴きたいところですね」
霧切 「構わないけれど……何から話せばいいのか解らないわね」
探偵という生業で生きていた過去。父を捜し、見つけた先の学園での事件…これは彼女も知っていることのはず。でも、話して楽しい話題かどうかは解らないけれど、私の半ばもきていない人生でも、案外話のタネが多いのだと気づいた。
空木 「もういいです。でもどうせ私達のこと調べてわかってるんじゃないですか?」
霧切 「ええ」
空木 「やっぱり」
まだ十にも満たないだろう幼い身体で、大人の欲を受け続けてきたという。汚れた大人の世界に放り込まれてしまったのだ。しかも、それを口利きしているのが実の母親だというのだから、信じられない。あまりにも残酷で耳が痛くなる話。
やはり自分から語ってはもらえないか…。それができるまでになるには、どんな人間にも時間が必要になる。私がそうであるように。
先の言葉の通り、彼女には恐怖の回帰…トラウマがある。それは“優しい”と言われたり、極度に優しくされること。普通ならば好意的なそれも、彼女にとっては嫌な行為の記憶を呼び起こす要因になる。私はそんな彼女に“本当の優しさ”を教えなければならない。かなり厄介だ。
しかし今、腐敗していた世界が息を吹き返そうとしている。その世界で彼女達の手が赤く染まることのないように、心を正してあげなければならない。
空木 「まあ、お姉さんはキャワイイので特別によろしくしてあげます」
霧切 「そう。ありがたいわ」
私は空木さんに手を差し出す。それを空木さんも躊躇いなくとる。小さく、暖かい柔らかな掌。何人もの大人を殺害してきた手には見えない。
空木 「それより、苗木 誠っていう人はここにいるんですか?」
霧切 「……それを知ってどうするの?」
空木 「中継でしか観たことがないので、実物を見てみたいだけです」
《希望の戦士》達はコロシアイ学園生活を生き延びた人物、特に苗木君に対しては怨みが強いということは解っている。彼女達に彼を対面させて、何が起こるとも限らない。今は会わせるわけにはいかない。
霧切 「あなた達を彼に会わせることはできないわ」
空木 「あら、残念」
言葉ほど残念な様子ではなさそうにしながら、空木さんは自分の髪の毛を一房とり指で遊びだす。
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