過去ログ - 安部菜々、プリキュアになる。
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10: ◆2YxvakPABs[sage saga]
2015/03/26(木) 00:55:50.40 ID:avES/eip0
――*――*――*――



 緊急出動した菜々達3人。
 空を見上げると、空はどんよりと暗く、またいつも見慣れている風景も、どこか薄暗い気がした。
 いつもよりもひんやりとした風が街をすり抜ける。
 その風に不快感を覚えながら、菜々たちは街を走っていた。

 街中では、人々が力でも抜けたように小さくうずくまっている。
 よく見ると、体から黒いオーラのようなものが吹き出ていた。

「どうして皆あんなことに……?」

「マースコミディアが現れた証拠です。彼らは徐々にですが、アイドル力を失っていっています」

「そんな……」

 ………………………………。

「うわぁ!!! プロデューサーいつの間にネズミになってたんですか!!!!!!」

 何気なく会話していた菜々だったが、その声の出処に驚く。
 菜々の肩に、ネズミと化したプロデューサーがいた。
 サイズがサイズだけに、乗られるとなかなか重い。

「プロデューサー! 何やってるんですか! 乗るならボクの肩に乗ってくださいよ!」

「どうでもいいよっっっっっっっっ!!!」

 肩にプロデューサーが乗っているせいか、がっくりと肩を落とす菜々。
 ちなみに、事務室から5メートル先でダウンした杏を、今は幸子が運搬していた。

「近いです!」

 プロデューサーが叫ぶとほぼ同時、菜々達の前に巨大な『ナニか』が降ってきた。
 その振動でバランスを崩し倒れ込む3人。
 人型をした、でも人ではない巨大な化物。
 その化物は大きく息をすい、吠えるように叫ぶ。

「スキャンダァァアアアアアアアルッッッッッ!!!!!!」

「こいつは、マースコミディアが人のアイドル力を元に作り出す『スキャンダール』です!」

 プロデューサーの解説途中にもかかわらず、敵はその拳を大きく振りかぶり、そして菜々達目掛けて振り下ろした。
 間一髪で回避する菜々。
 菜々よりも後ろにいた幸子も杏も、回避出来たようで無事だ。

「はーっはっはっは!!! いいぞスキャンダール! 暴れろ!」

 スキャンダールの上空。空中に浮くそいつは、腕を組みながらその状況を上機嫌に眺めていた。
 人に近い姿をしているが、そもそも人は浮かない。

「あいつは、マースコミディアの幹部の1人、キャスータです」

 プロデューサーによると、どうやら敵組織の幹部らしい。
 目の前にいるスキャンダールを生み出したのも、こいつで間違いないだろう。

「やめてください!!」


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