過去ログ - 【StarboundSS】鳥人間は真実を知ったようです
1- 20
24: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 11:45:20.52 ID:HyQQlB2z0
宇宙広しと言えど、自らフローランに関わろうとする奴なんてそうはいない。いるとすれば、せいぜい研究者くらいのものだろう。
それも、安全圏からの観察が主な作業に違いない。

危険を冒してまで交流するメリットもない。
そう結論せざるを得ないほど、連中は凶暴な「獣」に過ぎないのだ。
以下略



25: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 11:50:48.60 ID:HyQQlB2z0
具体性に欠ける言葉だったが、意図は十分理解できた。
彼女は(注。フローランは単性の種族であり、オスもメスもない。あるのは個性だけだ。
が、これもあまり当てにならない。
というのも、彼らは個性を発揮するための知性すら持ち合わせていない場合が多いからだ)自分の種族の現状だけでなく、未来も憂えているのだった。

以下略



26: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 11:51:47.50 ID:HyQQlB2z0
「どうしたんだ?」

「何でもない。とにかく、どの種族も大変だってことだ。程度の差はあれ、な」

最近、特に悲惨な目に遭ったのがヒューマンだ。事件の顛末はこうだ。
以下略



27: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 11:53:55.47 ID:HyQQlB2z0
「はあ? なんだそりゃ」

ヒューマンの大量死に関する話を聞いたフローラが、素っ頓狂な声を上げる。

「残念ながら、これが本当の話でな。宇宙の神秘を感じるだろ」
以下略



28: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 11:56:38.57 ID:HyQQlB2z0
tentacle(触手)のcomet(彗星)。
だが、名前を付けることで、俺たちは対象を認識の元に置こうとする。
「テンタコメット」は途方もない天災ではなく、並み居る宇宙怪物の仲間となったのである。
今は無理でも、いつか誰かの手によって、倒されることもあるだろう。

以下略



29: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 11:59:30.15 ID:HyQQlB2z0
「いや、実は……」

「なんだ? 嘘なら嘘と言え。別に怒らん」

落胆はするけどな。しかし、こうしてフローランと交流を持つことができたのは、それだけで冒険者冥利に尽きるというものだ。
以下略



30: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 12:04:50.68 ID:HyQQlB2z0

「どういうことだ?」

察しはついたが、あえて分からないフリをする。
このフローランが、一般的なそれと大きく異なる性質を持っていることも、
以下略



31: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 12:05:57.66 ID:HyQQlB2z0
だが、フローランだけは別だった。

こんな話を聞いたことがある。
ある冒険者が、フローランのパーティに招かれた。
目的地に着いた彼は、すぐに自分が下劣な罠に引っかかったのだと気付いた。
以下略



32: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 12:07:24.04 ID:HyQQlB2z0
この話から分かるのは、フローランは野蛮ではあるが、同時に狡猾であり、獲物を罠に嵌めるための策を巡らせることもできるということだ。
モンスターにはない、厄介な性質だ。まさしく歩く食虫植物といったところか。
更にフローランは、討ち取った獲物を「飾り付ける」風習がある。これこそ、彼らが他の種族に怖れられる所以だろう。
それも含めて――

以下略



33: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 12:14:57.89 ID:HyQQlB2z0
そんなこと。
とはいえ、俺だって「その場面」を見たことがあるわけじゃない。

俺は冒険者の視点で返事をしたが、それが無意味なことだと理解していた。
フローラの罪悪感を無視し、気持ちの主体を俺にすり替えたのだ。
以下略



34: ◆d3Dkro/vb2[saga]
2015/03/27(金) 12:21:03.57 ID:HyQQlB2z0
「冷たいんだな。そいつはアンタと同じ、エイビアンだったんだぞ」

少女の視線と声には、明らかに非難の色がこもっていた。
同族か。どちらだろう。
星天の徒か、それとも地触の民か。「評議会」でないのは確かだろう。
以下略



58Res/33.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice