過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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12:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:05:46.54 ID:jVBRPo/YO
「去年の三年生が卒業したのに合わせて部員がいなくなり、新入部員もおらず廃部寸前という話だ」
「なるほど」
佐々木が文芸部を気に入った理由がわかった気がする。
こいつは別に教師に対して反抗的なわけでもなく、一匹狼という訳でもない。
だが、なんとなくキャラクターを演じているというか、どこか一線引いたようなところがあるのだ。
そういう意味で陳腐な表現だが、素の自分で居られるような場所が欲しかったんじゃないだろうか。
こいつから家族の話題が出ることは稀だし、もしかしたらあまり家でも気が休まらないのかもしれない。
だから佐々木は、自分を守るべきところ、砦となり得る居場所を文芸部に見出したのだ。
「キミさえ良ければ、これから二人で文芸部員としてやっていかないかい?」
俺の勘が正しければ、この言葉は軽い誘い文句ではない。増してや社交辞令なんかでもない。
まさしく親友としてこいつに認められている、ということを意味するのだ。
それならば、俺には断る余地なんてこれっぽっちも有りゃしない。どうせ暇な身の上だ。
「いいぜ」
言葉は短いが、その重さはお互いに理解している。
こういう時は簡潔な返事の方が良いってもんだろう?
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