過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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30:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:56:29.83 ID:jVBRPo/YO
というわけで部活動から一時的に文芸部要素が抜け落ち、俺たちは勉強会に勤しんだ。
これが功を奏して、俺の試験結果は過去最高に良いものだった。お袋も喜びの涙を流すってもんさ。
佐々木は俺以上にこのことを喜び、しばらく機嫌が良かったので、俺もまあ、嬉しかった。うん。
しかし部室で文学とあまり関係のない活動ばかりして、しかもそれに慣れきってしまった代償だろうか。
テスト終了後、いよいよ我らが文芸部に混沌の渦が巻き起こり、本来の活動理念はどこへやら、
与太話に花を咲かせたり、どこから持ってきたのかわからない奇抜なボードゲームに精を出したり、
果ては、微妙に交流のあったお隣のコンピ研のご厚意によってネット回線までもが開通して、
もはやどうにも収拾がつかない事態となってしまった。なんでも有りというやつである。
毎週末の学外活動も部誌の為という大義名分は形骸化、目に見えた遊びの言い訳と化けてしまった。
佐々木も浮足立った初回の活動を反省したのか、俺にとっても幾分気楽なものとなって実にありがたい。
そんな俺たちの様子を遠巻きに見ていた谷口がうんざりした様子で、
「なあ、やっぱりお前ら付き合ってんだろ」
と呟くのも、客観的に見れば全くもって無理もないことに思えた。
ええい、正直に言おう、この時には俺は間違いなく佐々木を親友以上の存在として見ていたのだ。
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