過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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31:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:58:42.22 ID:jVBRPo/YO
ターニングポイントというのはあっさりやってくるもので、それは期末試験を終えた後のことだった。
その日は七夕であったが、俺と佐々木は部室の中からしとしとと降り始めた雨を眺めていた。
「織姫と彦星のことを慮れば夜にはすっきりと星空を見せて欲しいものだね」
外に目を向けたまま物憂げな様子でそんなことを佐々木は言い始めた。
「せっかく一年に一度の、何光年もの距離を越える逢瀬だというのに」
「何光年、という宇宙レベルの話を持ち出すのなら」
俺はこう前置きして、
「星の寿命を考えれば、一年に一度なんて常に一緒にいるようなものだろ」
「なんてロマンの欠片も無いことを言うんだキミは。今に始まったことではないけれど」
そう言うと佐々木はわざとらしくため息をついた。
「まあそれなら、彼らも僕たちみたいなものなのかもしれないね」
ああ、確かに俺たちは日曜日以外毎日こうして一緒に居るわけだからな。
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