過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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44:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:19:41.31 ID:jVBRPo/YO
夏休みも最終コーナーに差し掛かった頃、俺たちは二人そろって浴衣を纏い地元の花火大会に参戦した。
白地に赤紫の朝顔を咲かせた浴衣は佐々木の魅力を最大限引き出していて、思わず緊張してしまう程だった。
佐々木の見繕った浴衣に袖を通した俺が、やけに高いタコ焼きに文句を垂れつつ一緒に食べ歩いたり、
射的で思わぬ腕前を見せてはしゃぐ佐々木に癒されていたりするうちに、大輪の花火が打ち上がり始めた。
しばらくそれを眺めていたのだが、不意に佐々木が俺の袖を引っ張っているのに気付いた。
「人混みはあまり好きじゃないんだ、どこか穴場でも探しに行かないかい?」
同感だな。人が多すぎて正直花火どころじゃない。つーわけで、俺たちはぶらぶらと歩き出すことにした。
「こうして当てもなく歩いているとあの初デートを思い出すね。あのラーメン屋は流石に」
丁度同じことを思っていたが、またいたずら小僧のような顔をして蒸し返しやがって。
「わかったわかった、あの時は悪かったって。いつまで言われ続けることになるんだろうな、全く」
「そうだな、僕としてはキミと死に別れるその時まで言い続けたいものだ」
臆面もなくこういうことを言うようになったのは果たして成長というべきなのか。
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