過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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62:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 23:01:37.73 ID:jVBRPo/YO
「ただの幸運にしては出来過ぎだ。
そう気づいた時にはもう毎日が疑念で埋め尽くされてしまったよ。思い当たる節も山ほど有った。
家に居てなんとなく寂しい気分になったとき、それを見計らったようにキミからメールが来る。
二人っきりになりたいと思ったら住宅街なのに1時間以上人っ子一人通らなくなる。
ずっとそんなバカな話あるはずがないと自分に言い聞かせてきたがもう限界だ、
キョンに全てを打ち明けたい、と思ったら――」
佐々木が右手を開くと、手のひらにヘアゴムのモチーフが食い込んだ跡が深く刻まれていた。
「それらは全て、僕が異能の力を持っていると考えれば説明がつく」
「まさか、俺にも佐々木の言うおかしな力が作用しているって言いたいのか?」
「そう。それが一番の問題だ」
佐々木は、まるで荒野に咲く萎れかけた一輪の花のように儚げに、
「去年僕が七夕に願っていたのは、キミと結ばれることだ」
小さく、しかし頭によく響く声でそう言った。
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