過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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89:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 23:50:23.74 ID:jVBRPo/YO

「だから、僕に残された手段は、たった一つしか残されていない」

風の吹かない世界があるとすればそこにある海はこんな感じだろう、そう思うような静かな眼差しで、

「この世界と、そこに執着している僕を消して、元の世界を再生する。

 僕のいない世界を創るのならば、僕は真っ新な気持ちでそれを実行できる」

佐々木はそう言った。

「おま、何言ってんだよ!?」

「今のキミは、さっきまでこの世界に居た僕が心を通わせたキミではない。

 尤も、キミはその"さっき"の一瞬に一年以上に渡る異世界の記憶の追体験をしたわけで、

 キミの主観的な感覚としては、さっきまで、というと違和感しかないだろうけどね。

 何れにせよ、キミは自分が異なる世界から来たという自覚を得たはずで、

 それはつまりキミが愛したSOS団の、言い換えれば涼宮さんの記憶があるということだ。

 だがどうだい? 僕とのそれは全て紛い物だ。僕に見せられていた幻覚とも言える。

 さて、それではキミはどちらを選ぶ? 簡単な問題さ」




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