過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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94:名無しNIPPER[saga]
2015/03/29(日) 00:29:29.92 ID:IwlMUGAtO

「待て佐々木!!!」

叫びながら目を見開くと、見知った自室の天井が視界に広がっていた。

事態を飲みこめず痛いほど拍動していた心臓を落ち着かせていると、部屋に垂れ込める冷気に総毛立った。

枕元のデジタル時計に目をやると、それは明け方を示している。

一体何がどうなった? 佐々木はどこへ行ったんだ?

弾かれたように身を起こし、携帯を開いて受信BOXを見ると、忘れもしない名前が目に入った。

"涼宮ハルヒ"

ああ、目眩がしそうだ。これはつまりここがさっきまでの世界ではないということになるのか。

日付を確認する限り、今は高1の2月らしい。道理で寒いわけだ、世界どころか季節まで違うってのかよ。

いや待て、そんなことよりもあいつだ。あいつはどうなっちまったんだ。まさか本当に――。

部屋を見渡すと本棚が目に入った。押し込められていた中学の卒アルを無理やり引っ張り出す。

冊子を乱雑にめくり、かつて自分が所属したクラスの生徒写真のページを開いた。

――佐々木の写真がない。




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