過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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28:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:41:39.22 ID:JxUSEnW0o
「ずるいんだよ……撫子ねーちゃんは。家でもそうだと思ったけど、外でもそうなんだ……ずるい、本当にずるい」


「自分がいつもきゃーきゃー言われて、勉強もなんでも上手にできるからって……周りの人のこと、知らないうちに振り回してる。いつも私たちより何段も上から見下ろしてきて」


ベッドの上の毛布を握り締め、けれど涙はぽろぽろとこぼすように放っておく櫻子が、普段元気で明るい子であるだけに、私をどきどきさせた。

ぎゅっ、ぎゅっと毛布を掴む手に力をこめるようにして、櫻子は静かにため続けていた撫子への想いを、私のことに重ねて怒るように訴えた。


「めぐみねーちゃんは、何も悪くないじゃんか……! 悪いことなんかひとつもしてないよ! 全部撫子ねーちゃんが勝手なだけじゃん!」


「自分のことをこんなになるまでに好きでいてくれる人……その人を簡単にふってさ、自分だけ新しい世界へひょいひょい行っちゃって……む、むせきにんだよ!」


気づけば自分よりも、櫻子の方がヒートアップしていた。まさか櫻子がここまで思ってくれているとは。その驚きで自分の涙がひっこんだ。


「櫻子ちゃん……」


呼吸絶えだえにしゃくりあげる櫻子を、今度は自分が落ち着かせるように抱く。悲しんでくれているのはわかるが、それよりも怒っている気持ちのほうが大きい気がした。



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