過去ログ - 春香「響ちゃん、キスしてみよっか」
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17: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:05:15.65 ID:XZ6dq+eC0
 他の誰かの物に……その言葉に胸が痛んだ。

 想像したくもない。あの唇が他の誰かと触れあうなど。あの笑顔が、優しい言葉が他の誰かだけに向けられるなど、考えたくない。

響「だけど、そんなの……」
以下略



18: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:06:01.21 ID:XZ6dq+eC0
貴音「そうする自信がないのなら……伝えなさい、響。想い人が、いつまでも己を待っていてくれる等と高を括っていては……後悔しますよ」

 そう言い残して、貴音は部屋を出て行った。


以下略



19: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:06:37.76 ID:XZ6dq+eC0
 貴音が出て行ってから1時間は経っただろうか。随分悩んでいたので、それほど時間が経ったようには感じなかったけれど、時計を見るとそれくらいは進んでいた。

 春香に想いを伝えよう。そう決意した。

 このまま誤魔化しながら友達を続けていても、貴音の言うとおりきっと後悔する。気持ち悪がられようと、この想いを伝えてしまった方がきっと良いはずだ。後は、どうやって春香に会うかだけど……


20: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:07:40.01 ID:XZ6dq+eC0
 悩んでいると、がちゃりと扉の開く音がした。

春香「貴音さん、話って……っ!?」

 久しぶりに見た春香は、自分の記憶よりやつれて見えた。春香は自分を見ると驚いた顔をした後、急いで踵を返そうとする。
以下略



21: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:08:24.89 ID:XZ6dq+eC0
春香「話って……こないだまでの事について、だよね?」

 先に沈黙を破ったのは春香だった。

響「それもあるけど……」
以下略



22: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:09:23.58 ID:XZ6dq+eC0
響「……好き、なんだ。春香のことが」

 ようやく絞り出したか細い声は春香に届いただろうか。頭が熱くて熱くて、目線を春香にあわせることも出来ないから、よく分からない。

響「春香が遊びで始めたキスで気付いたんだ、自分の気持ちに。自分、春香の事が好きなんだ! 多分、765に来た頃からずっと! 優しくて、まっすぐで、誰とでも仲良くなれる春香のことが、自分は大好きなんだ!」
以下略



23: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:10:06.50 ID:XZ6dq+eC0
 何なのだろうかと勘ぐっていると、急に抱きしめられた。そして大きな声で泣き出した。

 自分はいまいち状況が飲み込めぬまま、しゃくり上げる春香の背中をさする。春香の泣き声はだんだんと小さくなり、最後には聞こえなくなった。

春香「響ちゃん、ごめんね」
以下略



24: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:10:38.02 ID:XZ6dq+eC0
春香「でもね、私は響ちゃんの思ってるような子じゃないんだよ。響ちゃんの純粋な心を利用してた、最低の人間だもん」

響「っ!? それ、どういう事?」

春香「……響ちゃんってさ、結構にぶいとこあるよね」
以下略



25: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:11:39.10 ID:XZ6dq+eC0
響「嘘……だって春香は」

春香「騙してゴメンね。私、響ちゃんの純粋で押しに弱い性格を利用したの」

春香「最初は一回、遊びみたいな感じで一回するだけのつもりだったんだけど……気付いたら、自分を抑えられなくて」
以下略



26: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:14:18.76 ID:XZ6dq+eC0
響「違うぞ! 確かにきっかけはそうだったけど……だけど、自分気付いたんだ!」

響「黒井社長に捨てられて、行き場を無くした自分たちを765プロに迎えて……かみついてばっかりだった自分に優しくしてくれた。そんな春香だったから好きになったんだぞ! 誰でも良かったなんて、自分を馬鹿にするな!」

春香「響……ちゃん?」
以下略



27: ◆.xKc9zwqNY[sage saga]
2015/04/04(土) 00:15:19.04 ID:XZ6dq+eC0
 そうだ。自分の気持ちを行動で表すのだ。何をすれば良いのか、それは春香がずっと教えてくれていた。

春香「証拠?」

 何度も繰り返したその行為を口にするとなるとこれほど勇気が要るものなのか……だが、春香だって好きと言ってくれたんだ。ここで言わなきゃ、我那覇響の名が廃る。
以下略



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