過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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102: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:51:17.84 ID:NGKYIe+ko

「がぐぇ!?」

 だがその凶手が届く前に、何者かに横やりを入れられたかのように真横に吹っ飛ばされる義手の女。
 突如と受けたその衝撃に、思わず呻く義手の女。
 義手の女はそのまま瓦礫の中に体が突っ込むかと思われたが、空中で回転しながら地面に手を付けバランスを整えながら着地する。

「これね」

 ぺろりと口周りを人舐めする義手の女。付着した瓦礫の粉じんが口内に入り異物の苦味を感じるがそれさえも美味に感じる。
 殺気の出どころさえ直前まで察知させなかった存在がいることに、義手の女は紗枝が降り立つ以前に気づいていた。




「さすがにさ、これはやり過ぎだと思うよ。ねぇ」

 少しいらいらした口調で言う声。
 義手の女がその声の方を向けば、かろうじて残った倉庫の基礎の折れた柱の中腹、そこに座る少女。
 その姿こそ、すれ違えば思わず振り向くような真っ白い美しさであったがその背後からは禍々しい瘴気がにじみ出る。
 9本の毛並と異形の耳がその者がただの少女でないことを物語っていた。

「あげくに紗枝ちゃんにまで手を出そうとしてさ、さすがの周子さんもこれには激おこだよ」

 軽やかに話すが、顔は全く笑っていない。
 九尾の妖狐、塩見周子は義手の女をありったけの殺意と敵意を持って見下ろした。



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