過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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101: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:50:32.87 ID:NGKYIe+ko

 新たに紗枝の取り出した符からずるりと這い出てくる一体の鬼。
 神主のような装束をしたその姿は『青鬼』よりも一回り小さい。黒い肌、と言うより混じりけのない黒色がそのまま肌になっているかのような皮膚。
 それと同様に顔には表情と確認できるパーツはなくのっぺらぼうのよう。

 両手に金づちと杭、胸に突き刺さっているように生えた銀の角。
 『式』というにはあまりに禍々しい黒い鬼はのっそりとアーニャに近づく。

「『龍脈封印』でええん?ほんまに……」

 誰に聞くでもなくそう呟いた紗枝は手に印を結ぶと呪文のようなものを唱え始めた。
 黒鬼はそれに合わせるようにアーニャの体から和釘を抜き、その上に上書きするように新たにその手に持つ杭を打ち付ける。

 そのたびに響くアーニャの悲鳴。崩壊した港のど真ん中行われるその儀式は真昼間であるのにもかかわらず不気味な雰囲気を醸し出していた。






「キヒッ」

 そんな呪文の中に混じるノイズのような引きつる笑い声。
 邪悪な笑みを浮かべながら紗枝に向かって跳びかかった義手の女はそのまま義手を振り下ろす。
 無防備な状態な紗枝がそれを食らえば、少女の柔肌ならば真っ二つに割けてしまうだろう。



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