過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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136: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 02:23:12.99 ID:NGKYIe+ko

 それはこの路地の住人である小動物の一匹であり、すでに内臓が飛び出て絶命している。
 ただでさえ嫌悪感を抱く見た目をしている鼠が、臓物を露出させている時点で普通ならば顔を歪ませるほどの嫌悪感を抱かずにはいられない。
 だがその人物は特に何かを感じるわけではない、平常とした表情をしながらそれを



 口に入れた。



 そして複数回咀嚼し、ごくりと飲み込む。
 さらに口内を緻密に動かし、吐き出す。
 吐き出したのは鼠の骨であり、肉片は余すところなく削がれていた。

「やっぱり……まずい」

 その人物は少しだけ表情を歪め、胃に入れたものの感想を言う。
 ドブネズミはその体に多くの雑菌を飼っており、引っ掻かれたり触れたりするだけで鼠咬症やサルモネラ症など命に係わる病気を発症したりする。
 だがその人物はそれをまるで気にしないかのように、生の何の処理もしていないドブネズミを食したのだ。

 そしてその暗闇から数多の視線が鼠を食した彼女へと突き刺さる。
 漆黒に光る膨大な瞳は全てこの路地の鼠の物であった。
 本来人間に対して逃げるしかない小さな隣人である鼠であるが、仲間が殺されれば別である。



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