過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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429: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/08/15(土) 22:55:41.44 ID:PWAS3CMco

「あたしを警戒って……なんで?ケミカ」

 シキにとっては、かつてここで起こした参事について全く覚えていなかった。
 彼女の記憶は、研究と興味で埋め尽くされているためかつてのイルミナティでの大参事で得た研究成果以外については全く覚えていなかったのだ。
 当然それによって引き起こされた被害についても記憶していないので、彼女にとって反省という言葉は存在していなかった。

 シキのそんな様子に、その声の主は少し呆れを含んだ声色でシキの疑問に答える。
 そしてその声の出どころは、シキが手に持っているマス目が極小で成されているルービックキューブからであった。

『引用、2年前にシキがイルミナティから依頼された新型ステロイド『キャンディトーク』の生成と実用化の際のことです。

シキはそれを完遂した後に、ここを含めたバチカンからほぼイタリア全域に空気感染する『キャンディトーク』の作用を引き起こすウイルスをばらまいて人体実験したことですね』

「あー、あのみんな『ハッスル』しちゃう薬か。そんなこともあったねー」

 ここでは気軽に語っていることであるが、『キャンディトーク』は人の身体、脳にまで影響を及ぼすステロイド、劇薬である。
 それは本来、人を凶暴化させ暴走を引き起こし、言語中枢を破壊し意味不明な単語の羅列を永遠に語らせ続けるというものであった。

 シキによって一晩のうちに実用化されたそれは、即座にシキによって細菌兵器に加工、彼女の独断で散布された。
 実用化され比較的効能が抑えられたそれは、興奮作用、言語中枢の麻痺、思考能力の低下を引き起こし本能を呼び起こす。
 そして人々は、男女関係なく甘い言葉でささやき、肉欲を貪るのだ。

 「やらないか」と。

 分量を調節すれば自白剤などにも使える『キャンディトーク』だが、ここで散布された薄められたそれはただの『催淫剤』として機能していたのだ。



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