過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2015/12/08(火) 00:58:38.17 ID:OBJgOl+No
『プロダクション』に多大な迷惑をかけたことなど、決していい思い出とは言わないがそれでもあの一日はアーニャにとっては重要な一日であったことには間違いない。
あの日があったからこそ、今アーニャはヒーローを続けているのだ。
だが今回の件で、アーニャはあまりにも無力であった。
あの義手の女には決意をあざ笑うかのように踏みにじられた。
守りたい居場所からは、願いを封じられた。
無力な自分を呪ったとしても、意味がないことは彼女自身がわかっている。
今更、社長の下した処分に反抗しようとも思わない。
アーニャは言われたとおりにヒーローとしての活動を自粛するつもりである。
「私は……戦わないなら、何ができるのでしょう?」
だが彼女は、いま「したいこと」が思い浮かばないでいた。
これまで戦うことを強いられてきたアーニャにとって、それ以外には何も持ちえない。
結局戦いから解放された港でのカースとの戦闘以降も、ずっと戦ってきたのだ。
戦うことしか知らない少女から『それ』を奪えば、何も残らないのは必然である。
今『エトランゼ』に向かっているのは、あくまでちひろに提案されたからである。
アーニャ自身他にすることもないので向かっているおり、実際にやりたいことかと問われれば頷けるものではなかった。
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