過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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696: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:12:53.70 ID:H+PnEL/o0

「プロデューサー、大丈夫? けっこう無茶してたみたいだけど」

「ひとまずは、な。筋肉痛が長引かないよう願うばかりだ」

「そんなこと言うトシでもないでしょ」

 エボニーコロモは全カメラの停止を確認してからヒーローマスクを脱ぎ、相棒と軽口を交わす。……そして、スクラップと化した軽バンを見やり、肩を落とした。

「二代目はよく頑張ってくれたな。買い換え予算は下りるだろうが」

「美世ちゃんの能力、当たりが出るといいですね」

「ソレよ」

 亡き『二代目』は田舎くさい外観に見合わぬスーパーマシンであったが、その改造はアイドルヒーロー同盟の同僚、原田美世の能力による。
 車両に超スペックを付与する彼女の能力は、一方で確実性が低い。頼りきりになるより、ベース車両の時点でワンランク上のものを買うべきか。
 エボニーコロモ、すなわち黒衣Pの懸念は社用車だけではなかった。サイバー甲羅の残骸に歩み寄り、脱落したパネルの一つを拾い上げる。

「双子のワンチャン……いや」

 パネルの裏には、サイボーグ改造を手がけたと思しきメーカー章が精密レーザー彫刻されていた。付着した灰を払い、……予想は不愉快にも的中した。



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