過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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704: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:32:49.06 ID:H+PnEL/o0

#2

「……スウウーッ……フシュウーッ……」

 壁際に鎮座するオーディオ機器から軽快なレトロ・ディスコナンバーが流れ、やや遅いリズムでプリンタが作動し紙を吐き出し続ける。
 心地よい騒々しさに身を沈め、黒衣Pは二つのリズムの最小公倍数的ペースで深呼吸を繰り返す。

「……スウーッ……フシューッ……」

 黒衣Pの対応は速かった。彼は事務所に戻るとすぐさまシロクマPと連絡をとった。今プリントアウトされているのはシロクマPから送られる改造獣人事件の資料だ。
 同盟直轄の研究機関による報告書から、関連性を疑われる事件を扱った新聞記事のスクラップ、電脳空間に広まる噂話まで、もたらされる情報は広く、深い。

「スウーッ……シューッ……。……ヌウッ」

 黒衣Pは目を開き、既に1センチの厚みに達した資料の束にゆっくりと手を伸ばした。(いいぞ)彼は安堵した。痛みはほとんど引いていた。
 そのまま、上から一枚抜き取る。……獣人コミュニティ聞き取り調査の書き起こしだ。日付は一週間前。シロクマPが独自に行っていた調査と見えた。

(杞憂だったか? ……いや、シロクマP様サマだな)

 黒衣Pは改めて感謝の念を抱いた。獣人が人間界で生きる市民としての資格を得て久しいが、彼らと多くの人間の間には未だに壁がある。



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