過去ログ - 【ダンガンロンパ】霧切「探偵だけではない青春」
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◆AZbDPlV/MM
[saga]
2015/04/21(火) 12:46:06.05 ID:Y0T4oA2O0
深く暗いところから、意識を引かれ、一瞬浮いたような錯覚を起こす急激な目覚め。覚えのない天井と、鼻腔を刺激する薬品臭に、少し動揺してしまう。
霧切 「……ここは……」
?? 「保健室だ」
霧切 「!!」ガバッ
私の呟きに返答があり、警戒心でとっさに体を起こす。
霧切 「う……」
仁 「突然動いたりしたら、また倒れるぞ」
体を起こした途端、軽い眩暈がして頭を抱えてしまう。そんな私に声をかけたのは聞き覚えのある声だったことで、一気に脱力する。ため息を吐きながら顔を上げると案の定、傍にあの人がいた。
霧切 「あなたが運んだの?」
仁 「まあね」
霧切 「そう……そうなのね……」
ここはさすがにお礼を言うべきなのだろうけれど、なかなか言い出せず、気持ち悪いモヤモヤしたものが胸に残った。そんな私の様子を苦笑しながら、あの人は眺めている。何か言いたいことがあるなら言えばいいじゃない。……それは私の方ではあるのだけど……。
仁 「大丈夫か?」
霧切 「大丈夫よ」
仁 「そうか。なら良かった」
今度は安堵の笑顔でそう答えた。その笑顔で、余計にお礼を言えなかったことのモヤモヤが増す。
私の様子を認め、安心したように立ち上がると踵を返す。
仁 「じゃあ、私は失礼するよ。睡眠はしっかりしないといけないよ?」
霧切 「待って…!」
仁 「何かな?」
霧切 「訊かせて」
自分で自分に驚いた。咄嗟に呼び止めてしまった。もう引き返せない。でも、ここで言いたいことを言ってしまわなければ、この先ずっと同じことの繰り返しのような気がする。
だったら、今ここで、私の中のモノ全てを吐き出して終わらせるべき……よね?
仁 「今度は何を訊きたい?」
霧切 「どうして霧切の家を出たの」
仁 「まあ、一番はそのことだろうね」
私の質問を受けて、肩を竦めながら戻ってくる。
仁 「君も知っていると思うけど“霧切の教え”が私の決定打だ」
霧切 「それの何が不満なの?」
私の言葉で彼は眉を顰め、苦い表情でため息を吐く。
仁 「やっぱり父親としては悲しかったんだよ……」
仁 「母さんのこと、嫌いだったか?」
霧切 「いいえ」
仁 「そうか」
嬉しそうに、顔を綻ばせた。
“家族の死に目に会うことよりも、探偵活動を優先せよ”これは霧切の人間である限り、厳守されるべき教え。私はそう祖父に教えられた。だから、私は母の死に目に会うことよりも、教えの通り探偵の仕事を全うした。
母が嫌いだった訳ではない。少なくとも、その当時の私にはそれが普通だった。けれど、それは一般的には普通ではない、ということを少し後で知る。信じるモノが探偵としての在り方だけだった私は焦った。彼が祖父に背くことが、間違いではないのかも知れないということに気づいてしまった。
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