過去ログ - 海未「サナギシェルター」
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26:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 18:20:00.42 ID:lE2tgw5So

 やだなあ、これはじょうだんです。
 喉が震えていた。
 ことりはもっと、隠し事が上手だったはずなのに。

 わたしたちって、なんなんだろうね。
 海未ちゃんが、こんなに近いのに、すぐ遠くなっちゃうの。

「……海未は、ここにいます」

 押しつぶすほど、
 おのれの身体にことりを取り込んでしまいそうなくらい、腕に力を込めた。
 痕になるなんて恐れもその一瞬は忘れていた。
 柔らかな胸が二人のなかで押しつぶされる。

 身体中に塗り広げた泡で滑って離れてしまわぬように、
 この子を取り落とさぬように、さらに力を込める。
 その吐息をうなじで受け止める。

 血流がどくんどくんと音を立てて流れ出すのを、
 速まる脈動を、肌で直接感じていた。
 心臓ひとつを二人で分け合う、いびつなひとつの生き物だった。




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