25:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 18:19:33.84 ID:lE2tgw5So
指を離した途端にことりが呼んだ。
目を閉じたまま私に手を伸ばそうとして空を切っている。
半ばに泡をまとったあの子は毛を刈られかけた仔羊のようで、
私に触れることなく垂れ下がる腕の軽さも相まって、
あまりにも無防備な姿だった。
目の前で浴室の白んだ光にさらされるあの子と、
雨の中で見せた涙とが重なっていく。
「……ことり」
気づくと私は両腕でその肩を抱きしめていた。
できればその顔を見ないままに、私の胸元へ隠してしまいたかった。
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