過去ログ - 海未「サナギシェルター」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 18:09:49.05 ID:lE2tgw5So

 クローゼットの一角を私の部屋着が占めることに、
 ことりのお母さんですら、
 不思議に思わなくなって久しい。

「わたしたち、そういうものだから」。
 誰かに手の繋ぎ方などを訊かれると、ことりがいつもそう答えた。

 もう友達とは呼べないやり取りの、
 密かな呼び方はうまく隠したまま、
 ことりは机の下で繋いだ手と私のことを近づけていく。

 私は幼き日と変わらず臆病で、
 スカートのひだに指を当てるくらいしかできないまま、
 指を掴まえてもらってかろうじて肌に触れられる程度だった。




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