30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 18:21:46.81 ID:lE2tgw5So
「……海未ちゃん。ちゅうして」
動けない私の腕を引く。
床にはしたなく身体をもたげたまま、
私はごろりと声の方へ身を寄せ、組み伏せるようにして唇を重ねなおした。
私の頭で影になっても、目を閉じることりはひどく美しかった。
鼻息にまぎれて湿った夜の声が漏れ出すと、どうしていいか分からなくなる。
絡まる舌の肉と唾が立てる音の遠くで、
雨音が鳴り止んでいることには気づかない振りをした。
息をするために口を離すと、ぱっと目を開いた。
「海未ちゃん、ありがと」
私の涎に汚された唇も、ことりの笑顔の一部だった。
「身体、冷えるでしょう。お風呂に浸かりましょう」
そうだね、と今度はすんなり応じた。
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