14:名無しNIPPER[saga]
2015/04/05(日) 21:20:29.24 ID:b6JeyJkM0
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「なんで、光彦を殺したんだ? 阿笠博士」
「ふぉっふぉ。さすがじゃの新一。少しヒントを与えすぎたかの?」
阿笠博士が犯人だとは信じたくなかった。だが、やはり俺が鈴木くんに渡した手紙は阿笠博士の下に届けられたようだ。
「ああ、そもそも俺や灰原の正体を知っている人物はほとんどいないから。それでだいぶ絞り込めたよ」
「さて、どこから謎を解明してくれるのかの? いや、どこまで分かっているのかの?」
「そうだな。まずはトラックの件からいこうか」
鈴木くんがトラックの居眠り運転を予知した件だ。
トラックの運転手はいつも通学中の生徒に車の中から声をかけていた。ということは通学路付近では窓を開けていたということだ。そうであるならば、そこから時計型麻酔銃で運転手を眠らせることもできる。
通学路付近で慎重にスピードを落としていたならば、なおさら容易だろう。
それから鈴木くんに携帯電話のバイブなどを利用して連絡すれば「予知」が完成するというわけだ。
「トラックの運転手だった男に話を聞きにいったよ。
時々、道路の脇に白衣の太った男が立っていたことを覚えていると言っていた。
タイミングを測っていたんだな。事故の時もいたそうだ。
まさか博士本人が実行していたとは思わなかったけれど、組織的な犯行ではないんだな?
俺は黒の組織と関係があるとにらんでいたんだが」
「なるほど。白衣の太った男がいたと。偶然、わしによく似ている男がいたとは恐ろしいのお。
言っておくが、黒の組織とわしは何の関係もないわい。
わしが黒の組織の一員なら哀くんが『匂い』をかぎつけていたじゃろうし、新一のことも殺しているだろう。
ただ、黒の組織の研究に興味を持ったのは事実じゃ。
手元に二体も素晴らしいサンプルが手に入ったんじゃから、わしの発明家魂が揺さぶられたわい」
「次は地震の件だ。あれは偶然だったんだろう?」
ある程度、地震の発生は予想できていて蛍光灯や石像に細工をできるとしても、
100%発生を予知するのは無理だと博士自身が言っていた。
博士が嘘をついているとも考えられるが、
それより現実的なのは地震が発生しなかったときの第2のプランを用意していた可能性だ。
例えば、蜂や蠍など毒を持った虫の死体を美術室に放り込んでおく。
そうすれば、結果的に鈴木くんのまいた殺虫剤が命を救ったことになる。
ここまで説明しても博士は笑顔を崩さないままだ。
「いや、まさか。『予知』するのは無理だが、『発生』させることはできるというのか。
地震発生装置、あるいはそこまでいかなくても強い衝撃を建物に与えることができれば
蛍光灯は割れ、石像は倒れていたと。確か震度はたいしたことがなかったはずだ」
「ふぉっふぉ、どうかの。仮に地震発生装置など開発したとしても、よほどの大地震を起こせぬようでは一銭にもならんのぉ」
「そして、光彦殺害の件。蝶ネクタイ型の変声機で声を変え、時計型麻酔銃で朝美さんを眠らせる。そして変装してカメラに映る。
これができるのは灰原だけにも思える。だが博士と関係のある小学生が俺と灰原以外にももうひとりいる。
鈴木くんだ。トラックの件、地震の件、俺たちの正体を知っている……
鈴木くんが博士からバックアップを受けて神様の振りをしていたのは明白だ」
もしかしたら、鈴木くんは……。
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