15:すいません、また夜に書きます[sage saga]
2015/04/10(金) 02:00:46.28 ID:qg5Ptqqq0
春香が消えて、数十秒たったか、数分たったかは分からない。とにかく、おれは空っぽのペットボトルのように惚けていたのだ。
再び彼女は現れたとき、思わず椅子から一歩も動けなくなった。
目の前に春香が二人いる。
左側の『春香』はおれを見て一礼をした。右側の『春香』はおれを見ていった。
「プロデューサーさん、お願いです。信じて下さい。」
左側の『春香』もおれに続けてこう言った。
「私からもお願いします。この世界の春香を信じてあげて下さい」
おれはおかしくなってしまったようだ。
この光景はどうみてもおかしい。現実的じゃないはずだ。狂人の夢だ。春香はおかしくなっている。
なのに、おれは春香を信じたいと思った。
この世界とかあの世界とかどうでもよくて、ただ今二人いる春香を傷つけたくないと思ったのだ。
おれは二人の春香にいつもどおりにこたえようとした。
震える足を無理やり地に着けて、椅子から立った。
「おれは春香を信じてるよ」
春香が泣き崩れたような笑顔になった、それだけで言った価値はあると思った。
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