過去ログ - ABE NANA Z〜アイカツの「F」〜
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17: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/04/10(金) 22:45:02.16 ID:N8MCYESO0
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 フリーザと行動するようになって3日目。

 今日はバラエティ番組への出演があった。付き添いでフリーザも出演することになっている。どうやらプロデューサーが上手くねじ込んだようだ。
 アイドルたるもの、どんな番組でもアイドルでいなければならない。それを教えるちょうどいい機会だと菜々は考えていた。

「おはようございまーす」

 楽屋のドアノブをひねって扉を開ける。

 そこのちゃぶ台には、ラグビーボールのような仮面を被った誰かが座っていた。

「待っていましたよ、ウルトr…………ウサミn…………安部セブン」

「菜 々 で す ! っていうか、それとんだ宇宙人違いじゃないですか!!」

 ツッコまれて満足したのか、笑いながらそのお面を外す。
 もちろん、フリーザである。

「ホッホッホ、暇を持て余した帝王の遊びです」

「楽しそうで何よりです……」

 朝一番なのに、菜々は既に疲れ始めた。

「さて、今日はバラエティ番組でしたね」

「えぇ。バラエティ番組では、アイドルとしてイメージアップとイメージダウンの両方が起こりうる場所です。ドラマなどとは違って、ほぼ素が出てしまいますからね。まさに戦場。いい意外性と悪い意外性ってありますからね。1番気が抜けない収録です」

「ほう、いい悪いの意外性とは、例えば?」

 フリーザに尋ねられ、菜々はうーんと考えながら首を傾げた。
 腕を組み、顎に手を当てる。
 自分で言っておいて、例えがぱっと思いつかなかった。

「そうですね……例えば……悪いのは、意外に言葉遣いが汚い……とか? いいのだと、意外な特技持っていたり……とかですかね」

「星を真っ二つにする特技なんてどうでしょう」

「意外でもなんでもないんで、金輪際やらないでください」

 菜々は笑顔で答えた。そんな物騒な技が出る機会がないことを、ただただ祈るばかりだ。
 とにかく、イメージダウンだけは避けなくてはならない。
 ようは、アイドルとしての自分をいかに崩さないかが重要だ。問題なのは、崩さなすぎてもいけないところ。そこが難しい。

 フリーザは、ちゃぶ台に置いてある台本に目を通していた。台本には、大まかな流れが書いてある。

「とにかく、リハで雰囲気を掴んでください。知識より経験です。アイドルとしての自分をしっかりと持つんです」

「フォッフォッフォ、分かりました」

「さっそくキャラ崩れてますよ!! なんで手をカニみたいにしてるんですか!!」

「高速で反復横飛びすれば分身も可能です」

「そんな特技いらないです!」

「ヌルッフフフフ、そうですか」

「さっきからキャラブレッブレじゃないですか!!!」

 菜々は心底心配になった。
 こんな調子で大丈夫かと菜々は軽く頭を抑える。



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