過去ログ - ABE NANA Z〜アイカツの「F」〜
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21: ◆2YxvakPABs[saga]
2015/04/10(金) 22:47:27.27 ID:N8MCYESO0
「フリーザさんも、その……するんですね」

「そりゃ、生物ですからね」

 変身したり、体半分に斬られても生きてたり、宇宙空間でも生存できたりするフリーザを、菜々と同じ「生物」という枠組みでくくっていいか、正直悩んだ。
 だが、生きているということは生物ということで勝手に納得する菜々。

「ウサミン星の素晴らしい科学力を持ってしても、生理的行為はどうにもなりませんか」

「え……? あ、あぁ! そりゃもちろん。ウサミン星人は体を改造なんてことしないので! やはりどんな科学力を持ってしても、生物であることに抗えはしないんですよねぇ、えぇ」

 トイレの扉を開けながら菜々は、ぎこちなく笑う。こんな質問を繰り返しされたらそのうちあっさりボロが出そうで不安だった。
 というより、すでにボロしかない気もする。

「ほっほっほ、そうですかそうですか」

 菜々の後ろに続き、フリーザは扉をくぐった。
 隣同士の個室に入る所で、フリーザは「また後で」と菜々に微笑みかける。
 菜々もにこっと笑顔を作って、個室へと入った。

 ………………………………。


「こ こ 女 子 ト イ レ で す よ ッ ッ ッ ! ! ! 」


 あまりに自然すぎてスルーするところだった菜々は、用も足さずにトイレの個室から飛び出した。
 フリーザも顔をひょっこりと出す。「はい?」と菜々が何に驚いているのかをよく理解していない表情だ。

「いやいやいや! 凄い自然に着いてきてたから普通にしてましたけど、ここ女子トイレですよ! 神聖な領域ですよ! おなご以外が立ち入ることを禁じられている女子だけの世界ですよ! 男子が入ろうものなら、絶対に許さんぞ虫けらどもってジワジワとなぶり殺しにされるレベルですよッ!」

 フリーザに掴みかからんとする勢いで菜々はフリーザに詰め寄った。
 それでもフリーザはきょとんとした表情をしていた。何が何か分かっていない。
 菜々はとりあえず、フリーザの手を引いてトイレから飛び出した。問題が起こる前に。
 完全にトイレに来た目的を忘れて。

 とりあえず、トイレから離れた所に避難した菜々は、誰にも見られていなかったかを確認する。
 キョロキョロと辺りを見渡す菜々は非常に怪しかったが、幸いにも誰にも見られていなかったようだ。

「ほっほっほ、何か問題がありましたか?」

「むしろ問題しかないですよ! 男子が女子トイレ入るって、小学生でも変態のレッテルがはられる愚行ですよ!」

「あぁ、言っていませんでしたか。私、地球での性別は女になっています」

「だから、女が女子トイレに入ったら――……」

 ………………………………………………………………。

 何秒間、思考が停止しただろうか。
 まず菜々は、自分の耳を疑った。次に空気を疑った。音を伝える時、何かしらの外部的要因で、音に何かしらの異常が発生していないか。
 次に脳を疑った。処理するときに何かしらの変換誤差が生じていないかと。
 だが、何度脳内リピートしても、聞こえた単語に間違いはない。


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